「葬儀まで済ませた女性が生還」64歳女性、洪水から10日ぶり救出…泥に埋まった建物から奇跡の生還

ネパールを襲った大洪水で行方不明となり、家族が葬儀まで済ませていた60代の女性が、10日ぶりに生還した。水力発電所のトンネルに取り残されていた作業員も相次いで救助され、さらなる生存者発見への期待が高まっている。
カトマンズ・ポストなどが6日(現地時間)報じたところによると、ネパール・ビドゥールのベトラワティで行方不明になっていたチャンディカ・シュレスタさん(64)が前日、泥に埋まった建物から劇的に救助された。
シュレスタさんの家族は、10日間にわたって生死が確認できなかったため、すでに死亡したものと判断し、救助される2日前には葬儀まで済ませていた。
一部の住民は、建物が埋まっている場所から泣き声や皿がぶつかる音が聞こえると話していたが、シュレスタさんの兄はニューヨーク・タイムズに「幽霊の声が聞こえているのだと思った」と語った。
しかし、道路の復旧作業に当たっていた作業チームが、泥の山から一角だけがのぞいていた建物の近くでかすかな泣き声を聞いたことで、状況が変わった。
建物は3階まで泥に埋まり、4階部分の屋根と最上階の窓の一部だけが外に出ていた。救助隊員は窓を壊して建物の中にはい込み、泥をかき出しながらシュレスタさんを救助した。
担架で運び出されたシュレスタさんは、ヘリコプターでカトマンズの病院に搬送され、治療を受けている。多数の行方不明者が出ている水力発電所でも、生存者が相次いで見つかった。
5日、ラスワ地区のアッパー・トリシュリ1水力発電所のトンネル内約225m地点で、中国人作業員の陸海涛さん(49)が救助された。
陸さんは数日間、救助隊の明かりが見えるたびに声の限り叫んだという。「救助隊員が近づいてきて、私に明かりを向けた時は信じられなかった」と語った。

陸さんが近くに別の生存者がいたと話したことを受け、救助当局はさらなる捜索を急いでいる。
その前日には、アッパー・トリシュリ3Aのトンネルに閉じ込められていたネパール人作業員のカビール・マハルジャンさん(45)とサンジャイ・サーさん(30)が救助された。
救助隊は全長200mのトンネル内に入るため、約60mにわたって岩やがれきを掘り出した。爆薬や重機を使用できない区間では、シャベルや素手で道を切り開き、酸素の供給や排水路の確保も並行して行った。
サーさんは漆黒の闇と泥の中で祈りの言葉を唱えながら、9日間耐え抜いたと伝えられている。救助直後、最初に尋ねたのは「今日は何曜日ですか?」だったとCNNは伝えた。
2人はカトマンズの陸軍病院に搬送され、治療を受けている。
トンネル全体が崩落しておらず、一部区間には人がとどまれる空間があり、酸素も確保されていることが分かったため、さらなる生存者救助への期待が続いている。
ただ、トンネルが狭い上、内部には大量の土砂やがれきが積もっているため、救助作業はなかなか進んでいない。
現地メディアの集計によると、今回の大洪水で6日までに少なくとも1,384人が死亡し、5,515人が行方不明となっている。救助当局は、救命のゴールデンタイムを過ぎたものの、さらに生存者がいる可能性もあるとして捜索を続けている。




