性犯罪者のGPS装着に「本人の同意」が必要?…「誰のための法律なのか」と批判

政府が、出所後に社会復帰した性犯罪者を対象に、位置情報を把握するGPS機器を活用した監視制度の導入を検討している。ただし、本人の同意を前提とし、身体に機器を装着しない方式が想定されていることから、制度の実効性をめぐって議論を呼びそうだ。
9日、読売新聞などによると、法務省は2027年度にも、仮釈放中の性犯罪者らにGPS機器を携帯させる実証実験を開始する方針だ。再犯の兆候が確認された場合には、保護観察官による指導などにつなげることを想定している。
対象者は、プライバシーや人権への配慮から、GPSの利用に同意した人に限定する。電子足輪のように身体に直接装着する方式ではなく、対象者がGPS端末を携帯する方式を想定している。具体的にどの性犯罪を対象とするかについては、今後検討する方針だ。
法務省はまず実証実験を通じて、制度の効果や課題を検証し、今後の制度化に向けた検討を進める。2023年に閣議決定された第2次再犯防止推進計画でも、海外の制度や運用を参考に、仮釈放中の性犯罪者らへのGPS機器の活用について検討する方針が示されていた。
GPSを活用すれば、保護観察対象者の移動状況を把握し、再犯につながる兆候を早期に発見したり、必要に応じて注意や指導を行ったりできる利点がある。一方、位置情報というセンシティブな個人情報を継続的に収集することになるため、プライバシー保護とのバランスをどう取るかが課題となる。法務省も、GPSによる再犯防止効果に関する情報が十分ではないことや、プライバシー侵害、社会復帰への影響などを踏まえて制度設計を検討している。
国内ではこれまでも、性犯罪者の位置情報を追跡する電子監視制度の導入を求める声が上がってきた。しかし、今回の制度が本人の同意を必要とし、身体への装着ではなく携帯型の端末にとどまることから、実効性を疑問視する声も出ている。
SNSでは、「本人が拒否すれば意味がない」「被害者の安全を優先すべきではないか」「この制度は誰のためのものなのか」といった意見が相次いでいる。海外ではすでに同様の制度が運用されていることから、より強力な管理手段が必要だとの指摘も出ている。
性犯罪者の位置情報を電子的に管理する制度は、アメリカやヨーロッパなど複数の国で導入されている。法務省の資料によると、アメリカでは連邦および多くの州で性犯罪者の監督にGPS機器が利用されているほか、イギリスなどでも電子監視制度が運用されている。

