ギリシャ、約5570億円でイスラエル製防空網を導入 ミサイル・ドローン迎撃へ

イスラエルがギリシャと30億ユーロ(約5,570億円)規模の多層防空網の輸出契約を締結したと、AFP通信などが31日(現地時間)報じた。両国間の防衛装備品契約としては過去最大規模となる。
イスラエル国防省は同日、イスラエル製の防空システムを基盤とする「アキレスの盾」をギリシャに構築する契約を締結したと発表した。
同省によると、今回の契約は両国関係の歴史上、最大規模の防衛装備品輸出契約で、イスラエルにとっても過去最大級となる。イスラエル製の防空システムと実戦で蓄積した運用経験を活用し、ギリシャに包括的な多層防空網を構築する。
ギリシャ国防省関係者は7月末、総額42億ユーロ(約7,778億円)に上る「アキレスの盾」構築計画の一環として、イスラエル製のミサイル・航空機・ドローン迎撃システムを導入する方針をAFP通信に明らかにしていた。
ギリシャ国防省は、今回の契約を同国史上最大規模の国防改革の一環と位置付けている。
ニコス・デンディアス国防相は、近年の技術進歩によって従来の防衛戦略が機能しにくくなったと指摘した。そのうえで、イスラエルと同様の多層防空網を導入するのは、欧州連合(EU)加盟国でギリシャが初めてだと説明した。
契約には「ダビデ・スリング」「バラクMX」「スパイダー」の各迎撃システムに加え、航空監視レーダーと新たな国家指揮統制システムが含まれる。
装備はイスラエルの防衛企業ラファエル・アドバンスト・ディフェンス・システムズとイスラエル航空宇宙産業(IAI)、IAI子会社のエルタ・システムズが製造する。
イスラエル国防省はこれとは別に、ラファエル製の対ドローン防御システムをギリシャへ供給する2,600万ユーロ(約48億円)規模の追加契約も締結したと発表した。
イスラエルのカッツ国防相は、両国が共通の戦略的利益を持ち、地域の課題にも直面していると述べた。トルコを念頭に、「覇権的な野心を持つ勢力が影響力を拡大し、地域の安定を損なうなか、両国は防衛・戦略協力を引き続き強化する」と強調した。
ギリシャは隣国トルコと数十年にわたり緊張関係にある。また、北大西洋条約機構(NATO)に加盟する欧州諸国のうち、国内総生産(GDP)の3%以上を防衛費に充てる4カ国の一つとなっている。
イスラエルも近年、トルコとの対立を深めている。トルコ軍の展開を阻止する措置として、シリア北西部にある閉鎖済みの軍事基地を空爆したこともある。
イスラエルは2023年、ドイツに弾道ミサイル迎撃システム「アロー3」を供給する契約を締結した。契約は昨年12月に拡大され、総額65億ドル(約1兆400億円)となり、イスラエル史上最大の防衛装備品輸出契約となった。
