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2026年9月7日(月) 東京 --

「楽園リゾート」モルディブ、ロシアへの密輸拠点に

米中から届いた半導体・航空関連品
制裁を回避し、ロシア航空会社の便に積み替え

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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エメラルド色の海と白い砂浜で知られる「リゾート天国」モルディブが、ロシアによる西側諸国の制裁回避の拠点として利用されていることが分かった。米国や欧州、中国から送られた半導体や航空機部品などが、空港でロシア行きの航空機に積み替えられ、モスクワに流入している。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は2日(現地時間)、航空貨物運送状や貨物の積荷目録、物流会社の電子メールなどを分析した結果、モルディブを経由してロシアに入った規制・制裁対象品が数億ドルに上ると報じた。民生用電子機器やミサイル誘導装置に使用できるマイクロチップをはじめ、衛星用の光学機器、戦闘機や長距離ロケットなどに使われる航空宇宙部品まで含まれていた。一部はロシアに入った後、西側諸国の制裁で部品調達に苦慮するロシアの主要航空会社S7航空や、その整備子会社などに流れた。WSJは、モルディブを経由する貨物量は中国やトルコ、アラブ首長国連邦(UAE)など既存の主要ルートに比べれば少ないものの、世界的なリゾート地まで迂回ルートとして利用されている点で、ロシアの制裁回避網がいかに広範囲に及んでいるかを示していると指摘した。

モルディブが制裁回避の迂回ルートとなった背景には、積み替え貨物に対する検査の緩さもある。ロシア最大の航空会社アエロフロートの旅客機が毎朝、首都マレの空港に到着すると、現地の仲介業者が米国や欧州、中国などから届いた貨物を受け取り、約2時間後にモスクワ行きの航空機へ積み直す。貨物はモルディブに正式に輸入されず、空港内で別の航空機に積み替えられるだけのため、税関による現物検査をほとんど受けない。

さらに目を引くのは、両国がそれぞれ集計した貿易統計が大きく食い違っている点だ。モルディブ側の記録だけを見ると、ロシア向け輸出はほぼ皆無なのに、ロシア側の記録ではモルディブから数億ドル相当を輸入したことになっている。モルディブ税関の資料によると、2022~2025年にロシアへ輸出した品目は、2,300ドル(約35万9,700円)相当のマグロと、25ドル(約3,900円)相当のチラシや冊子がすべてだった。

一方、ロシア側の統計では、モルディブ産として計上された輸入額は、2021年の700万ドル(約10億9,500万円)未満から、ウクライナへの全面侵攻が始まった2022年には6億3,000万ドル(約985億3,100万円)以上へと急増した。製造業がほとんどないモルディブが、ロシア向け物資の巨大な中継地となった形だ。

モルディブがロシアの迂回ルートとして定着した背景には、経済的な利害もあるとの分析だ。国営モルディブ空港会社(MACL)は、積み替え貨物の取扱手数料や航空燃料の販売で収益を上げており、2024年には過去最高益を記録した。

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