「30年間負けなし」共和党のテキサスが接戦に トランプ氏が16億円投入
パクストン支援・民主党タラリコ氏への攻撃広告に各500万ドル
民主党、州全体選挙で30年間勝利なしのテキサスで接戦

ドナルド・トランプ米大統領の政治資金団体が、11月の中間選挙を控え、テキサス州の米上院選に1,000万ドル(約15億6,000万円)規模の広告費を投入した。トランプ陣営が中間選挙で最も競争の激しい選挙区に大規模な資金を投じるのは事実上今回が初めてで、共和党にとって厳しい選挙情勢を覆すきっかけとなるか注目されている。
ワシントン・ポスト(WP)によると、トランプ大統領のスーパーPAC(政治活動特別委員会)MAGA Inc.は5日(現地時間)、連邦選挙委員会(FEC)に対し、テキサス州司法長官を務める共和党のケン・パクストン候補を支援するテレビ広告とデジタル広告に500万ドル(約7億8,000万円)、民主党のジェームズ・タラリコ州下院議員を攻撃する広告に500万ドルをそれぞれ支出したと届け出たという。
MAGA Inc.がその後公開した広告では、タラリコ候補が増税を支持していると批判するとともに、パクストン候補の方がテキサス州民の住宅費負担を軽減するうえで適任だと主張した。
MAGA Inc.のアレックス・ファイファー報道担当者は声明で「増税派のタラリコはテキサス州民の懐から金を奪おうとしている」とし、「MAGA Inc.はテキサス州民にタラリコの急進的な政策を知ってもらい、ケン・パクストンを米上院議員に選出してもらう」と述べた。
トランプ大統領は2024年の大統領選でテキサス州を約14ポイント差で制したが、最近の世論調査では今回の上院選は接戦となっている。
パクストン候補も共和党予備選で現職のジョン・コーニン米上院議員を破って本選に進出したが、これまで個人的・倫理的な問題を巡る論争に巻き込まれてきた。さらに、トランプ大統領の支持率低下も重なり、共和党候補に不利な選挙環境が形成されているとの見方が出ている。
民主党はテキサス州で30年間、州全体を対象とする選挙で勝利していないが、今回は上院選での勝利に期待を寄せている。民主党がテキサス州の議席を獲得すれば、共和党の上院多数派維持に大きな打撃となる可能性がある。現在の上院議席は共和党53議席、民主党47議席となっている。
一方、共和党は選挙終盤に巨額の資金を投入することで、情勢を逆転できるとみている。MAGA系団体は7月末時点で4億ドル(約623億8,000万円)を超える資金を保有しているとされる。
これまでトランプ大統領は、競争の激しい議会選挙への直接的な資金投入を控えてきた。一部の共和党関係者からは、トランプ大統領が今後、資金調達力が低下する可能性に備え、自身の政治的影響力の拡大や個人的な事業などに資金を使う可能性があるとの懸念も出ていた。
こうした中、共和党指導部はトランプ大統領に直接支援を求めている。ジョン・スーン米上院多数党院内総務(共和党、サウスダコタ州)は2日のFOXニュースのインタビューで、トランプ大統領とその側近らに対し、テキサス州の選挙に「総力を挙げるべきだ」と訴えた。
スーン院内総務は「共和党が多数党の地位を維持するには、テキサスは絶対に失ってはならない場所だ」とし、「われわれは必ずテキサスで勝利しなければならない」と語った。
トランプ大統領はこれまで主に演説や選挙イベントなどを通じ、中間選挙で共和党候補を支援する意向を示してきた。自身の政治組織が約10億ドル(約1,559億5,000万円)の資金を保有していると主張しているが、非営利団体などを含む資金全体の規模は正確には確認されていない。
トランプ大統領は同日、記者団に対し、自らが支持し、当選の可能性が高いと判断する共和党候補に資金面で支援する考えを示した。
トランプ大統領は「この金は私が管理している。自分の望むように使うことができる」と語った。
