「食料品1%→8%」2029年4月に消費税戻しへ 政府は現金給付を検討
2029年4月、中・低所得層への給付を検討
給付型税額控除導入前の「空白」を埋める
減税延長なら年間5兆円の財政負担は避けられず

政府が、食料品の消費税率を2029年4月に1%から8%へ戻す時期に合わせ、中・低所得層へ現金を給付する案を検討している。税率が一度に7ポイント上昇することによる家計への打撃を和らげ、時限的な減税を予定通り終了させる狙いだ。
6日付の朝日新聞によると、政府は2029年4月、中・低所得層を対象に現金を給付する案を協議している。来年4月から2年間、食料品の消費税率を現行の8%から1%に引き下げ、2029年4月に再び8%へ戻す予定だ。
政府は、1%から8%への税率引き上げが事実上の「大幅な増税」と受け止められる可能性があるとみている。そのため、税率を引き上げる時点で現金を給付して家計負担を軽減し、消費税率を元に戻すための政治的・社会的な環境を整える考えだ。
食料品の消費税減税は、中・低所得の労働者を支援する「所得連動給付」、すなわち給付型税額控除が本格導入される2029年度までの橋渡し策となる。給付型税額控除は、納付すべき税額から一定額を控除し、控除額が税額を上回る場合に差額を現金で給付する制度だ。
課題は給付時期だ。所得連動給付は毎年秋に支給される予定のため、2029年は消費税率が上がる4月から給付金が支給される秋までの約半年間、家計負担が先行して増える。政府内では、秋に支給する予定の金額の一部を4月に前倒しし、残りを秋に支給するなど、年2回に分ける案が浮上している。給付対象や金額はまだ決まっていない。
高市早苗首相は、新たな給付制度の対象となる中・低所得層について「消費税率の引き下げによる効果を上回る支援を受けることになる」と述べた。食料品の消費税率についても「2年後には私が責任を持って確実に元に戻す」と明言した。
ただ、減税が計画通り終了するかは不透明だ。終了直前の2028年夏には参議院選挙が予定されており、消費税率を元に戻すことが選挙の主要な争点に浮上する可能性がある。一度引き下げた税率を再び引き上げるのは難しいとの懸念も、政府や与党内から出ている。
財政負担も課題となる。食料品の消費税減税には年間約5兆円の財源が必要だ。減税が延長されれば、数兆円規模と見込まれる給付型税額控除も加わり、巨額の恒久財源を確保する必要がある。朝日新聞は、減税と現金給付が同時に長期化した場合、財政悪化が深刻化する恐れがあると伝えた。

