12年オオカミと暮らした80歳 発見後の61年をどう生きたのか

幼少期の12年間をオオカミの群れとともに過ごし、「オオカミ少年」として知られたスペインのマルコス・ロドリゲス・パントハさんが、80歳で死去した。
23日、News1はスペインのサン・シブラオ・ダス・ビニャス地方政府が、パントハさんが先週亡くなったと明らかにしたと報じた。
報道によると、パントハさんは幼少期、スペインのシエラ・モレナ山脈で12年間、オオカミの群れとともに暮らし、19歳の時に人々に発見された。2001年からはガリシア地方の小さな村ランテに定住していた。
スペインの公共放送RTVEは、1946年にスペイン南部アニョラで生まれたパントハさんは、母親の死後、父親と暮らしていた際に継母から虐待を受け、7歳の時に父親によって年老いたヤギ飼いに売られたと伝えた。
パントハさんは当時を振り返り、マヨルカ大学のガブリエル・ハネル・マニラ教授に「彼らは私を山に連れて行き、洞窟に置いていった」と話した。
周囲にはオオカミやキツネ、野生のヤギ、シカ、サソリ、ヘビなどがいた。パントハさんは当初、動物の鳴き声を怖がっていたが、ヤギ飼いからヤギの乳の搾り方やウサギの狩り方を教わった。その後、山で一人で生きる方法を身につけ、動物の鳴き声をまねながら野生の環境に適応した。
ヤギ飼いが突然姿を消した後、パントハさんはオオカミの群れと親しくなった。オオカミの子どもたちに餌を持っていき、危険を察知すると遠吠えして信頼を得た。パントハさんは後に「オオカミたちは私を自分たちの洞窟へ連れて行った」と振り返った。
人間の声が聞こえると隠れてしまうほど文明社会を避けていたが、1965年、19歳の時にスペインの治安部隊グアルディア・シビルによって山中で発見された。その後、神父や修道女たちの助けを受けながら社会に適応した。
兵役を終えた後は、マヨルカのホテルやレストランで働いた。そこでハネル教授と出会い、その特別な人生が学界に知られるようになった。ハネル教授はパントハさんの話を基に博士論文と本を発表し、その人生を題材にした映画も制作された。
パントハさんは晩年も自身の経験を伝えながら、自然保護と野生への理解の重要性を訴えていたとされる。
