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2026年8月27日(木) 東京 --

政府、エネルギー供給網を再構築 原発最大14基建て替え、原油調達も多様化

経済産業省「脱炭素への早期転換」

GX予算1兆7,238億円を概算要求

ナフサ生産用原油の備蓄制度を新設

老朽原発、最大14基の建て替えを計画

引用:depositphotos
引用:depositphotos

政府は2050年代まで原子力発電所を最大14基建て替えるほか、ホルムズ海峡を迂回するパイプラインの建設を支援する。原油輸入の9割以上を中東に依存してきたサプライチェーンの脆弱性を低減すると同時に、原発と再生可能エネルギーを軸に脱炭素への転換を前倒しする構想だ。経済産業省はこれを後押しするため、2027年度のエネルギー・グリーントランスフォーメーション(GX)関連予算として1兆9,838億円を要求した。

26日の読売新聞やNHKなどによると、政府は同日、高市早苗首相が出席するGX実行会議で「エネルギー需給構造強靱化総合パッケージ(パワーGX)」を決定し、発表する予定だという。パッケージは、化石燃料調達先の多様化と供給リスクの低減、原発と国産再生可能エネルギーを活用したGXの加速、日本主導のエネルギー協力枠組み「パワーアジア」を通じたアジア各国との連携強化の3本柱で構成する。

まず、原油やナフサなど石油製品の調達ルートをホルムズ海峡以外の地域に切り替える企業に対し、増加する輸送費を支援する。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じ、ホルムズ海峡を迂回する代替パイプラインの建設にも資金を拠出する。

現在、国家備蓄の対象外になっているナフサのサプライチェーンも強化する。ナフサの生産に使用する原油を国が別途備蓄する制度を新設する方針だ。ナフサは石油化学製品の主要原料だが、これまで日本の国家備蓄の対象に含まれておらず、中東発の供給ショックに脆弱だとの指摘が出ていた。

政府がエネルギー供給網の再編に乗り出したのは、米国とイスラエルによるイラン攻撃後、ホルムズ海峡が事実上封鎖され、ナフサなど石油製品の需給に支障が生じたためだ。軍事衝突以前、日本は原油輸入量の9割以上をホルムズ海峡経由で調達していた。緊急対策によって供給のボトルネックは緩和しているものの、今後同様の事態に備えるには調達構造そのものを変える必要があると判断した。

化石燃料への依存度を引き下げるため、原発の拡大も加速する。安全確保を前提に既存原発を最大限活用しながら、2040年代に最大5基、2050年代に最大14基を建て替える。次世代原子炉や小型モジュール炉(SMR)の導入に向けた研究開発も強化する。

薄くて曲げられる次世代型の「ペロブスカイト太陽電池」や地熱発電など、国産再生可能エネルギーの産業基盤への投資も拡大する。水素やアンモニアなど化石燃料に代わるエネルギーの供給を増やすほか、高効率半導体を活用し、データセンターの急増する電力需要にも対応する計画だ。

アジア各国とのエネルギー安全保障協力も強化する。日本が主導する資金支援の枠組み「パワーアジア」を活用し、原油などのエネルギー備蓄を巡る協力を拡大するとともに、域内サプライチェーンの危機対応力を高める。経済産業省が要求した1兆9,838億円のうち、原油の調達先多様化を促す新規事業費は150億円だ。大規模送電網の整備にも関連予算を投入する計画だ。政府は関連法案を早ければ今秋の臨時国会に提出し、年末の予算編成で主要事業に財源を重点配分する方針だ。

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