悪臭の中で次々と倒れ「43人死亡」…石油を盗もうと200人が殺到した国とは

ナイジェリア有数の産油地で、石油製品を盗み出そうとした住民らが有毒ガスを吸い込み、少なくとも43人が死亡したと伝えられている。200人を超える人々が真夜中にボートで船舶の周辺に殺到する中、高圧で石油製品が送り込まれていたパイプラインにパイプを接続したところ、事故が発生したとみられている。
真夜中にボート乗り200人が集結…有毒ガスが拡散
4日(現地時間)、ナイジェリアの日刊紙バンガードや英BBCなどによると、事故は前日の3日午前0時ごろ、ナイジェリア・リバーズ州オクリカ地区のオカリ埠頭で発生したという。
当時、埠頭には輸出用の石油製品を積み込むための船舶が停泊していた。この時、周辺地域の若者らを含む200人余りが小型ボートに乗って近づき、石油製品を違法に盗み出そうとしたと伝えられている。
現地の市民団体「青少年環境擁護センター(YEAC-Nigeria)」によると、彼らは近隣の石油化学施設から船舶へ石油製品を運ぶパイプラインの違法な抜き取り地点に別のパイプを接続し、製品をボートに移そうとしたという。
問題は、石油製品が高圧で供給されている最中に発生した。現場には強い悪臭を伴う有毒な蒸気が広がり、それを吸い込んだ人々が次々と倒れたと伝えられている。一部は意識を失ったまま川に転落し、現場から逃れた人の中にも、深刻な呼吸器症状を訴えて病院に搬送されたケースがあった。
住民らは、当時広がった物質を現地ではいわゆる「インドーラマ・フューエル(Indorama fuel)」と呼んでいると話した。
「少なくとも43人死亡」…川に浮かぶ遺体も目撃
バンガードは地域住民や市民団体などの話として、今回の事故で少なくとも43人が死亡したと推定されると報じた。このうち37人の遺体はオクリカ地区の住民と身元が確認され、残る6人はまだ身元が確認されていないという。
YEAC-Nigeria側は、独自のネットワークを通じて確認した死者は少なくとも37人だと明らかにした。川に浮かぶ遺体が目撃されたものの、まだ収容されていないケースもあると伝えられている。行方不明者も多数いるため、死者数がさらに増える可能性がある。
ただし、現地警察はまだ公式な死者数を確定していない。リバーズ州警察の報道官は、「原油を抜き取るために現場へ向かった人々のうち、複数人がその過程で死亡した」としながらも、調査が進行中であるため正確な人数は明らかにできないと説明した。
市民団体は、国家油流出検知対応庁(NOSDRA)に対し、現地で合同調査を実施して事故の経緯を明らかにするよう求めた。また、石油・ガス施設に近づく行為は、高圧の石油製品などにさらされる危険性が高いとして、住民に違法な抜き取りをやめるよう呼びかけた。
アフリカ有数の産油国であるナイジェリアでは、パイプラインを損傷させたり違法に接続したりして、原油や石油製品を盗み出す燃料盗難が相次いでいる。ナイジェリア政府は、これによる経済的損失が年間数十億ドルに上るとみて、取り締まりを強化してきた。

