「習近平が私の報告書を読んでいる」米政治家の息子、中国で記者として働き懲役刑
米中関係改善のために取り組んだと主張 米司法省「金のために祖国を裏切った」と非難

米ホワイトハウスでスタッフを務めた著名政治家の息子が、中国の国営メディアで記者として働き、中国の習近平国家主席が目を通す報告書を作成したとして、懲役2年の判決を受けた。
米司法省は1日(現地時間)、トーマス・ウィア・ポーケン2世(51)被告が中国で暮らし、外国政府の代理人として活動した罪で懲役2年の判決を受けたと発表した。
司法省は「ポーケン被告は金のために祖国を裏切った」と非難し、「中国のスパイ活動を支援・ほう助する者すべてに責任を負わせる」と警告した。
ポーケン被告は、レーガン政権時代にホワイトハウスのスタッフを務めた共和党所属の政治家の息子だ。2010年に新たな生活を求めて中国に移住し、作家や映像制作者、校正編集者として働く一方、中国国営メディアの中国中央テレビ(CCTV)や新華社でも勤務した。米検察当局は、ポーケン被告が7年間にわたり中国を支援する活動を続けていたと指摘した。
ポーケン被告が中国共産党のために活動するようになったのは、2017年に米シンクタンクでコンサルタントとして働いていたキャシーという女性と出会ったことがきっかけだった。
その後、ポーケン被告は定期的に米国を訪れ、習主席が自分の作成した報告書に目を通すことになるとの話も聞いたという。
連邦捜査局(FBI)は2月、ポーケン被告が中国に戻る直前、ワシントンD.C.の空港近くにあるクラウンプラザホテルで同被告を逮捕した。
検察側は、ポーケン被告が金銭目的でスパイ活動に類する行為をしていたとし、中国側から同被告の妻名義の銀行口座に少なくとも10万ドル(約1,600万円)が送金されていたことを明らかにした。
また、ポーケン夫妻は中国で計40万ドル(約6,200万円)相当のマンション2戸を購入するなど、裕福な生活を送っていたと指摘した。
一方、ポーケン被告の弁護士は、同被告は金のために祖国を裏切ったのではなく、米中関係の改善と第三次世界大戦の回避に向けて活動していたと擁護した。
弁護人は、ポーケン被告が恵まれない幼少期を過ごし、自信を持てずにいたとしたうえで、誤った思い込みから、米中間の武力衝突を防げると信じていたと強調した。
自分の人生が失敗ではないことを証明したいと中国に渡り、米中関係をめぐる穏健派の声を強め、両国の衝突を防ごうとしたという。
ポーケン被告は、検察側が示した事実関係については否認しなかったものの、犯行の動機については異議を唱え、「助けているつもりだったが、実際には害を与えていた」と謝罪した。
知識共有サイト「Quora(クオーラ)」には、ポーケン被告が「米国は中国への依存から脱却できるか」「人々が中国に対する敵意を強めている理由」といった題名で、米中関係について執筆した文章が残っている。



