「戦争の請求書が届いた」原油・金利が同時上昇、世界経済に警戒信号 日本にも影響
米・イラン戦争長期化で米10年国債利回りが急上昇
「戦争が終わるまで悪循環は続く」

引き締め圧力も強まる。実際、米連邦準備制度理事会(FRB)が今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを検討する可能性があるとの観測も出ている。
問題は、戦争そのものにも巨額の費用がかかることだ。米国はイランとの戦争ですでに数十億ドルの追加国防費を支出している。その財源を賄うための米国とイランの戦争が長期化する中、世界経済の混乱が深まりつつある。国際原油価格と主要国の国債利回りがそろって上昇し、家計や企業、政府の資金調達負担も増す可能性があるとの警告が出ている。
CNNが3日(現地時間)に報じたところによると、米10年国債利回りは2日に4.798%まで上昇し、昨年1月以来の高水準を記録したという。
国債利回りの急上昇は米国に限った動きではない。1日(現地時間)、ドイツの10年国債利回りは2011年以来の高水準を記録し、英国の30年国債利回りも1998年以来の高水準をつけた。同日、日本の10年国債利回りも1996年以来初めて3%を突破した。
債券市場を圧迫する要因の一つが、戦争に伴うエネルギー価格の上昇だ。米国とイランの戦争が6カ月以上続く中、世界の主要な原油供給地域で原油需給に混乱が生じている。米国のディーゼル燃料価格は2月28日の開戦以降、51%急騰した。
CNNは、戦争が長引くほど原油価格が上昇し、すでに高水準にある物価や国債利回りがさらに上昇する可能性があると分析した。
原油高がインフレを刺激すれば、中央銀行に対する金融借り入れ負担も同時に増している。
戦争による財政負担は世界各国にも表れている。CNNは「さまざまな地政学的脅威に対応するため、日本や欧州、韓国などが国防費を増やしている」と指摘した。
米国の財政状況は特に深刻だ。政府債務は先月、史上初めて40兆ドル(約6,238兆円)を突破した。米財務省によると、今会計年度の純利払い費は9,310億ドル(約145兆2,000億円)に達し、国防費8,040億ドル(約125兆4,000億円)を上回った。今後10年間の純利払い費は16兆ドル(約2,500兆を超えると予想されている。
国債利回りの上昇は、最終的に実体経済にも影響を及ぼす。政府の利払い負担だけでなく、企業の社債や借り入れの金利が上昇し、家計の住宅ローン負担も増える。特に、米10年国債利回りが5%に近づくほど国債の投資対象としての魅力が高まり、割高感のあるハイテク株には重荷となる可能性がある。
専門家は、戦争が激化するほど原油価格や物価が上昇し、債券市場が不安定になることで、最終的に経済や株式市場にも圧力が及ぶ可能性があるとみている。
B・ライリー・ウェルス・マネジメントのチーフ・マーケット・ストラテジストを務めるアート・ホーガン氏は「戦争から抜け出す道筋が見つかるまで、悪循環が続く可能性がある」と指摘した。
J.P.モルガン・アセット・マネジメントのチーフ・グローバル・ストラテジストを務めるデイビッド・ケリー氏は「世界は新たな『終わりなき戦争』の時代に入ったように見える」とし、「それには非常に大きなコストが伴う」との見方を示した。
