「2年後に確実に戻す」食料品の消費税減税、高市首相が財源確保に自信
40兆円規模の国債発行を抑制、消費税減税も検討
「派閥より能力」専門性と政策への意欲を重視
9月の内閣改造で政権の推進力を強化

高市早苗首相は、積極的な財政支出によって経済成長を促す一方、財政規律も維持する方針を示した。9月中旬から下旬に予定される初の内閣改造と自民党役員人事では、専門性や政策への問題意識、意欲などを基準に人材を選び、「高市カラー」をより鮮明に打ち出すとみられている。
28日付の読売新聞によると、高市首相は27日、首相官邸で行われたインタビューで「成長なくして財政の持続可能性は維持できない」と述べ、自身の看板政策である「責任ある積極財政」を通じて国内投資を促進する考えを示した。
高市首相は、「成長か財政規律かという二者択一ではなく、両方を実現することが責任の意味だ」と説明。2027年度予算の編成に向け、「国内投資を生み出す政策には、ためらわず財政支出を行う」と述べた。
一方で、財政拡大が国債発行の急増につながることには警戒感を示し、新規国債の発行額を40兆円程度に抑える方針を明らかにした。高市内閣発足後初となる今回の概算要求では、危機管理や成長分野への投資について要求額に上限を設けず、特に重要な分野については複数年度にわたって財源を確保する方針だ。
2年間限定で実施する食料品の消費税減税についても、強い意欲を示した。高市首相は「十分な財源を確保できるという確信がある」としたうえで、「2年後には確実に税率を元に戻す」と述べた。
経済政策と並んで注目されているのが、9月中旬から下旬に予定される内閣改造と自民党役員人事だ。昨年10月に就任した高市首相にとって、今回が初めての内閣改造となる。
人事の基準について高市首相は、「本人の専門知識、政策に対する問題意識、意欲を考慮して適任者にお願いしたい」と述べた。自民党は20~25日、所属する衆議院議員を対象に、政府・党・国会で希望する役職を第5希望まで記入するアンケートを実施。併せて、推進したい政策課題や推薦理由の提出も求めた。
今回の人事では、高市首相の独自色がより強まる可能性が高い。昨年の初の人事では、総裁選で高市首相を支持した麻生太郎副総裁の意向が大きく反映されたとの見方もあった。しかし、高市首相が昨年2月の衆議院選挙で自民党の大勝を導き、その後、党内での影響力を強めたことで、今回は自身の政策路線を共有する人材を前面に起用する余地が広がっている。
かつての自民党では、各派閥が閣僚や党役職の候補者名簿を首相に提出する方式が一般的だった。しかし、政治資金問題を受け、麻生派を除くほとんどの派閥が解散。2024年に改正された自民党のガバナンス・コードにも、人事に派閥を関与させない原則が盛り込まれた。
高市首相は、前回の特別国会で継続審議となった衆議院議員定数削減法案についても、秋の臨時国会での成立を目指している。議員定数の削減は、自民党と日本維新の会の連立合意に盛り込まれているほか、昨年2月の衆議院選挙で自民党が掲げた公約にも含まれている。
