ドイツ、ロシア総領事館を閉鎖へ 空港ドローンを「ハイブリッド攻撃」と断定

ドイツ政府は、先月ライプチヒ・ハレ空港で発生した爆発物搭載ドローン事件について、ロシアによるハイブリッド攻撃と断定した。在ボン・ロシア総領事館やベルリンのロシア文化施設の閉鎖、国境審査の強化など、大規模な対抗措置に乗り出す。
ユーロニュースが1日(現地時間)に報じたところによると、アレクサンダー・ドブリント内相は記者会見で、事件の分析結果について「欧州で行われているロシアの典型的なハイブリッド工作と一致する」と述べた。
爆発物搭載ドローンが空港に侵入
先月4日夜から5日未明にかけて、ドイツ東部のライプチヒ・ハレ空港で、爆発物を搭載したドローンが発見された。
警察は処理用ロボットを投入し、ウクライナの貨物機付近にあった爆発物を解体した。数週間後には、爆発物の痕跡が残る別のドローンも発見された。
ライプチヒ・ハレ空港は、ドイツ軍や北大西洋条約機構(NATO)加盟国の軍需物資輸送で重要な役割を担っている。ウクライナのアントノフ航空も同空港を拠点の一つとしている。
ロシア総領事館と文化施設を閉鎖へ
ヨハン・ワーデフール外相は「ライプチヒでのハイブリッド攻撃を行ったロシアに対し、厳格な措置を講じる」と表明した。
在ボン・ロシア総領事館を18日までに閉鎖するとともに、ベルリンにあるロシア文化施設も閉鎖する。ロシア国籍者に対する国境審査を強化し、制裁逃れなどに利用されるロシアの「影の船団」への圧力も強める方針だ。
政府は事件をNATO理事会の正式議題として取り上げる計画だ。ドイツ紙ビルトは政府関係者の話として、NATO常駐のドイツ大使が早ければ2日にも、ハイブリッド攻撃の問題を正式に提起すると報じた。
フリードリヒ・メルツ首相はこれに先立ち、ドイツがハイブリッド攻撃の標的になっていると警告していた。当初は外部勢力が関与した可能性に言及するにとどめていたが、捜査の進展を受け、政府はロシアを直接名指しした。
閉鎖対象には、情報活動の拠点との疑いが指摘されてきたベルリン市内の「ロシア科学文化の家」も含まれる。
保守系のロデリッヒ・キゼベッター議員は、同施設には身元が明らかでない100人以上が居住していると指摘した。電力消費量が異常に多く、多数の監視機器を備えた情報活動の拠点である可能性があるとの見方を示した。
ロシアは関与を全面否定
ロシア側は直ちに反発した。セルゲイ・ネチャエフ駐ドイツ大使は声明で、ドイツ政府の主張について「根拠がなく、ばかげており、常識にも反する」と全面的に否定した。
さらに、今回の措置は両国関係に前例のない悪影響を及ぼすとして、その責任はドイツ政府が負うことになると警告した。
欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長は、「X」(旧Twitter)でメルツ首相と電話会談したことを明らかにし、「ロシアの攻撃に対抗するドイツに完全な連帯を表明した」と述べた。
欧州連合(EU)のカヤ・カラス外務・安全保障政策上級代表も、アイルランドのダブリンで開かれたEU国防相会合後、「ロシアは物理的な破壊行為を伴うハイブリッド攻撃によって、われわれのウクライナ支援を萎縮させようとしているが、成功することはない」と述べた。
そのうえで、EUがこれまでで最も広範な対ロシア制裁を準備していると強調した。
