ドローンが目標を見つけるとK9が即射撃…世界で広がる自走砲が変わる理由
ドローンが目標探知・座標生成・着弾観測まで…K9の射撃システムと直接連携
ハンファ、次世代運用構想を公開…スペイン・スウェーデンもオブザーバー参加、輸出拡大に注目

世界各国で運用されている韓国製K9自走砲が、ドローンと直接連携する方向へ進化している。ドローンが目標を探知して座標を生成すると、K9が即座に射撃し、その後の着弾観測や被害状況の評価も再びドローンが担う仕組みだ。
ハンファ・エアロスペースは2~4日(現地時間)、エストニアのタルトゥで開かれた第5回「K9ユーザークラブ」で、こうした次世代の砲兵運用構想を公開した。今回のイベントには、韓国、エストニア、ポーランド、ノルウェー、フィンランド、ルーマニア、オーストラリアのK9運用国7カ国と、スペイン、スウェーデンのオブザーバー代表団を含む軍・産業界の関係者約200人が参加した。
中核となるのは、垂直離着陸(VTOL)方式の火力誘導用ドローンだ。このドローンは空中から目標を探知・追尾し、座標を生成してK9の射撃指揮システムに直接送る。砲兵部隊は、前進観測員が別途座標を伝える従来の方式に比べ、目標の識別から射撃までにかかる時間を短縮できる。
ドローンの役割は射撃命令の段階で終わらない。K9が砲弾を発射すると、ドローンは引き続き目標上空にとどまって着弾地点を確認し、射撃後には被害の程度まで評価する。ハンファは、こうした仕組みが移動する目標や短時間しか姿を現さない目標への対応に有利だと説明した。
探知・射撃・確認まで…「センサー・トゥ・シューター」の時間を短縮
今回の構想の中核は、いわゆる「センサー・トゥ・シューター(sensor-to-shooter)」の時間を短縮することにある。センサーが目標を発見してから、実際に火力が投入されるまでの時間を短くするというものだ。
ウクライナ戦争では、ドローンが砲兵の「目」の役割を担うようになり、戦場の流れが大きく変わった。敵の装備や兵力を発見した後、座標を迅速に伝え、砲撃の結果までリアルタイムで確認することで、砲兵の命中精度と対応速度を高める方式が一般化している。
K9もこうした戦場の変化に合わせ、単に射程を伸ばすだけでなく、探知・指揮・射撃・評価を一連の流れとして結びつける方向へ進化している。特にドローンを活用すれば、位置をさらした状態で任務を遂行しなければならない前進観測員の負担を軽減できる利点もある。
ハンファは今回のイベントで、K9シリーズの装輪式自走砲の構想も併せて提示した。従来の履帯式K9の火力と中核技術を維持しながら、道路での機動性や運用の利便性を高め、各国の作戦環境に対応する構想だ。
スペイン・スウェーデンもオブザーバー参加…K9輸出の裾野広がるか

今回のK9ユーザークラブでは、既存の運用国だけでなく、スペインとスウェーデンがオブザーバーとして参加したことも注目される。両国は欧州で砲兵戦力の近代化を進めている国とされる。
K9はすでに欧州を中心に運用国を広げてきた。ハンファは単に一つの自走砲システムを販売するだけでなく、各国の運用経験や整備・訓練のノウハウを共有するユーザークラブを通じ、K9のエコシステムを拡大している。
さらに、ドローンとの連携や装輪式プラットフォーム、デジタル整備を加えることで、競争力の幅も広げようとしている。ハンファは、部品需要を事前に予測し、整備時期を管理するデジタル兵站支援システムも併せて紹介した。これにより装備の稼働率を高め、欧州の運用国の整備負担を軽減する構想だ。
ただし、今回公開されたのは次世代の運用構想であり、ドローン連携システムが直ちにすべてのK9運用国に導入されるわけではない。スペインとスウェーデンがオブザーバーとして参加したことについても、K9の購入に直ちにつながると断定することはできない。
それでも、K9が単なる自走砲から、ドローンやデジタル兵站支援と連携する「砲兵システム」へと領域を広げていることは確かだ。今後の自走砲を巡る競争は、射程や発射速度だけでなく、いかに早く目標を発見し、射撃し、その結果まで確認できるかが問われる方向へ移っていく可能性が高まっている。

