「5月高値から16%安」でも中国株へ 世界の投資家がAI集中の日本市場を避ける理由
AI集中の日韓株に警戒感…世界の投資家、中国の中小型株へ
デリバティブでリスク抑制、緩やかな上昇に期待

世界の投資家が、人工知能(AI)関連銘柄に資金が集中する日本と韓国の株式市場から、中国の中小型株へと投資先を広げている。
7日(現地時間)のブルームバーグによると、世界的な投資銀行(IB)であるバークレイズやUBSの顧客の間で、中国の中小型株で構成される「CSI500(中証500指数)」への投資が増えている。特に、CSI500指数の上昇を見込むオプションやスワップ契約への需要が高まっているという。
ブルームバーグは、投資家がAI関連銘柄への集中が著しい日韓の株式市場よりも、中国市場の方が投資しやすいと感じていると伝えた。
CSI500は、中国の上海・深圳証券取引所に上場する銘柄のうち、時価総額上位300社の大型株を除き、その次に位置する500社の中小型株で構成される指数だ。さらに規模の小さい小型株を中心に構成する「CSI1000(中証1000指数)」もある。
BNPパリバとバンク・オブ・アメリカ(BofA)は、中国株の上昇を支える要因として、中国当局による資本市場改革、技術面での自立の進展、ハードウェア関連企業の業績見通し改善を挙げている。
ただ、中国株への楽観論が戻りつつある一方で、中国経済の先行きや政府による支援策について、慎重な姿勢を崩していないトレーダーもいる。
CSI1000指数は7月、2016年以来最悪となる月間下落率を記録した後に反発したものの、5月につけた高値を依然として16%下回っている。
BofAのアジア太平洋株式デリバティブ・リサーチ責任者、ラース・ネクター氏は「投資家が多少不安を感じている今こそ、理想的な取引のタイミングだ」とし、CSI1000を対象とするコールスプレッド戦略を推奨した。
コールスプレッドとは、満期が同じ2つのコールオプションを異なる権利行使価格で売買し、取引コストや損失を抑えるデリバティブ戦略の一つだ。
相場の上昇を予想する場合には、権利行使価格の低いコールを買い、高いコールを売る「ブル・コール・スプレッド」を用いる。一方、相場が上昇しない、あるいは緩やかに下落すると予想する場合には、権利行使価格の低いコールを売り、高いコールを買う「ベア・コール・スプレッド」が使われる。
ネクター氏は「現物株や先物に資金を集中させるより、価格条件が有利なときにオプションを活用する方が合理的だ」と説明。「いずれ相場を動かすきっかけが現れるだろう。その動きが出てから追随するよりも、先回りして戦術的に対応する方が、一般的にはコストを抑えられる」と述べた。
バークレイズでも、中国本土株指数を対象としたコールスプレッドへの顧客の関心が高まっており、投資家は急騰ではなく、緩やかな上昇を想定しているという。
バークレイズのアジア太平洋株式フロー・デリバティブ営業責任者、カンハリ・シン氏は「ここ数カ月、中国A株(上海・深圳証券取引所で人民元建てで取引される中国本土株)の上昇を狙った戦略への投資家の関心が高まっている」と説明した。
さらに、「世界の市場で最も資金が集中している投資テーマについて、バリュエーションや今後の収益期待に疑問が生じている。こうした状況を受け、収益源を分散させようとする動きが一部で表れている」と分析した。
