資金源を封じ、今度はタンカーまで破壊…トランプ氏がイランの「石油の生命線」を狙った理由
米、イラン関連タンカー3隻を攻撃…1隻破壊・2隻航行不能
原油輸出の要衝ハールク島近海も攻撃…金融制裁から海上圧力へ拡大

米国は、イランの原油輸出網への圧力を一段と強めた。最近、金融機関や海運網に相次いで制裁を科したのに続き、イラン産原油を運ぶタンカーまで直接攻撃した。
5日(現地時間)、ロイター通信やAP通信などによると、米中央軍(CENTCOM)は同日、イランのタンカー3隻を攻撃したと明らかにした。このうち2隻は恒久的に航行不能となり、貨物を積んでいなかった残る1隻は破壊された。
米軍は今回の攻撃について、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)が米海軍艦艇2隻を弾道ミサイルで攻撃したことへの対応だと説明した。当時、米空母と駆逐艦は攻撃を回避し、米軍に人的被害はなかった。
ブラッド・クーパー米中央軍司令官は、米軍艦艇を攻撃すればさらに大きな経済的代償を払わせるとして、イランの石油輸送船団を追加で標的にする可能性があると警告した。
米軍は、今回攻撃された船舶がIRGCや中東地域の親イラン武装勢力に資金を供給する「影のネットワーク」に属していると主張した。軍事的報復であると同時に、イランの主要な外貨収入源である石油販売を直接圧迫する経済戦としての側面も強い。
イラン原油の90%が通過していたハールク島沖まで攻撃

特に注目されるのが、ペルシア湾のハールク島だ。米軍はタンカー1隻をハールク島近海で攻撃し、別の1隻をホルムズ海峡東側のヤスク付近で攻撃した。貨物を積んでいなかった3隻目のタンカーはオマーン湾で攻撃した。
ハールク島はイランの原油輸出の要衝である。戦争前、イランの輸出原油の約90%が同島を経由していた。米国が海上封鎖や制裁を強化する中、イランの原油輸出量はすでに大幅に減少している。
イランのメディアも、ハールク島の停泊地から約10km離れたタンカーが米国の攻撃を受けたと伝えた。死傷者は発生しておらず、乗組員は船から退避したとされる。
ハールク島を巡る緊張も高まり続けている。トランプ大統領はこれに先立ち、ハールク島を標的とする威嚇的な発言をしており、イランの主要な原油輸出拠点への圧力を強める姿勢を示していた。
金融制裁に続き石油輸送網を直接圧迫
今回の攻撃は、米国がイランの海外の資金源を同時に締め付ける中で行われた。
米財務省は前日の4日、トルコのゴールデン・グローバル・ヤトゥルム・バンカスと子会社2社を制裁対象に指定した。財務省は、同銀行が中国でのイラン産原油の販売代金をトルコに移した後、現金や金に換える経路として機能し、イスラム革命防衛隊コッズ部隊(IRGC-QF)のために数千万ドル規模の取引を処理したと明らかにした。ゴールデン・グローバル側は米国の主張を否定し、法的措置を取る方針を示した。
米国は、イランが原油販売や海外の金融網を通じて確保する資金が、IRGCや親イラン武装勢力への支援に流れているとみている。金融機関を通じた資金移動の経路を遮断すると同時に、実際に原油を運ぶタンカーまで無力化することで、圧力の範囲を金融から海上輸送網へと広げた形だ。
これに加え、ホルムズ海峡を巡る米国とイランのせめぎ合いも激しさを増している。戦争前には世界の原油供給量の約5分の1が同海峡を通過していたが、米国とイランの衝突や通航制限により、エネルギー供給を巡る不安が続いている。
国際原油価格も敏感な値動きを見せている。ブレント原油先物価格は4日、1バレル=96.28ドル(約1万5,000円)で取引を終え、7月24日以来の高値を記録した。
つまり、今回のタンカー攻撃は、単なる軍事的報復を超え、イランの石油販売とその代金が移動する経路を同時に圧迫する米国の戦略の延長線上にあるとみられる。米国がIRGCと関係があると判断した金融機関やタンカーを引き続き標的にした場合、イランの原油輸出やホルムズ海峡を巡る衝突がさらに激化する可能性がある。

