「金正恩を罵ってみろ」本人確認で約8万円の“替え玉面接”…北朝鮮の偽装就職がさらに巧妙化

北朝鮮が米国企業に偽装就職して資金を稼ぐ「IT人材の侵入」手口を拡大する中、イランやレバノンなど第三国の人材まで動員していることが明らかになった。
12日、NBCニュースは米政府当局者や海外機関、複数のサイバーセキュリティー研究者の話として、北朝鮮が海外在住者を雇用し、米国企業の採用面接に代わりに参加させたり、現地での接触を担当させたりする事例が増えていると報じた。
米政府は、北朝鮮の偽装就職組織が数千人の人材を動員して数百社の米国企業に応募し、これを通じて毎年数億ドルの収益を上げているとみている。こうして確保した資金はマネーロンダリングを経て、北朝鮮の兵器プログラムなどに使われていると把握されている。
最近では、イラン、シリア、レバノン、南アフリカ共和国、サウジアラビアなどで現地人を募集し、西側企業のオンライン面接に応募者として代わりに登場させる手法も確認された。契約が成立すると、実際の業務は北朝鮮側の人材が引き継ぐ構造だ。
サイバー脅威情報企業フレアによると、2024年以降、少なくとも14人のイラン人が北朝鮮のIT組織に直接採用され、このうち少なくとも2人は北朝鮮側の応募者に代わって米国企業の採用手続きを通過し、実際に採用オファーまで受けたという。
北朝鮮側の内部文書には、ある運営者が50人以上のイラン技術者に接触した状況も記載されていた。一部の応募者には月500ドル(約7万7,000円)を支払い、時間制の「面接代行者」として活動するよう提案が行われ、偽の身元の使用方法についても教育していたことが明らかになった。
北朝鮮によるリモートワークを利用した偽装就職は、新型コロナウイルスのパンデミック以降、大幅に増加したとされている。北朝鮮のIT人材は米国企業などに就職して給与を北朝鮮に送金し、一部の事例では企業の機密情報を持ち出すこともあったと伝えられている。
国連は、このようなIT人材の活動によって北朝鮮が年間最大6億ドル(約926億3,000万円)を稼いでいると推計している。米国務省が主導する多国間制裁監視機構は、2024年の関連収益が最大8億ドル(約1,234億9,000万円)に達した可能性があるとみている。
米国企業も、オンライン面接で人工知能(AI)フィルターが使用されているかを確認したり、金正恩総書記について否定的な発言をしてみるよう求めたりするなど、検証を強化している。しかし北朝鮮は、実際に海外在住者を面接に投入したり、技術試験や業務の一部を外国人開発者に任せたりする方法で対応している。
北朝鮮は米国の関連主張を否定している。北朝鮮外務省は7月、米国などによる共同警告について、「国家イメージを毀損しようとする常套的な政治的非難」だと反発した。
