「新米の方が1000円安い」5キロ2786円、コメ不足から1年で供給過剰に

日本国内で米が余る「供給過剰」が起きている。予想を上回る豊作で今年の新米価格が急落し、昨年高値で仕入れた古米よりも新米が安く売られる逆転現象まで生じている。
11日付の読売新聞によると、東京都板橋区のあるスーパーでは、2026年産の新米「葉月みのり」5キロが税込み2,786円で販売されていた一方、その隣に並ぶ2025年産のコシヒカリは3,866円だった。新米の方が1,000円以上安い計算だ。
国内の米市場は、わずか1年で様相が大きく変わった。昨年は米不足で価格が高騰し、政府が備蓄米を放出したほか、消費者が外国産米まで買い求める事態となった。それまで国内市場でほとんど見かけなかった韓国産米も、本格的に輸入されるようになった。2025年上半期の韓国の日本向け米輸出量は416トンと、統計開始以来の最多を記録した。
しかし、今年は豊作の見通しを背景に、産地価格が急落した。JA全農新潟は、2026年産の一般コシヒカリについて、農家に支払う概算金を60キロ当たり1万8,500円に設定した。前年産の当初提示額である3万円を約38%下回る水準だ。
一方、昨年の価格急騰期に米を高値で仕入れた卸売業者は、その在庫を抱え込んでいる。農林水産省によると、今年6月末の米の民間在庫は243万トンで、適正水準とされる180万~200万トンを大きく上回った。
通常、新米が出回ると古米から値下がりするが、今年は逆の現象が起きている。卸売業者が昨年産の米を高値で仕入れており、損失を出さずに大幅な値下げをすることができないためだ。流通業界からは「新米が古米より安いのは異常事態だ」との声も上がっている。
政府は再び、米価の下落を抑える方向へとかじを切っている。昨年、市場に放出した備蓄米の一部を今月中に買い戻すほか、2026年産米も買い入れることを決めた。追加の備蓄についても検討している。
昨年は米不足に対応するため備蓄米を放出し、外国産米まで受け入れていたが、わずか1年で、今度は供給過剰を懸念して再び米を買い入れるという、正反対の状況になっている。
