沖縄で12年ぶりに保守系知事が当選…「高市政権の運営に弾み」
高市政権、国政選挙並みに強力支援
対中けん制「南西シフト」強化の見通し

沖縄県知事選で、与党・自民党が支援した保守系候補が12年ぶりに当選した。米軍基地の移設など、政府が進める政策に弾みがつくとの見方が出ている。
14日、NHKや時事通信などによると、前日に行われた沖縄県知事選で、高市早苗政権が支援した古謝玄太前那覇市副市長(42)が当選した。
沖縄の米軍基地に強く反対してきた革新系の玉城デニー沖縄県知事(66)は、3選を果たせなかった。
古謝氏は、過去最多となる42万3,124票を獲得した。玉城知事には14万票以上の差をつけたと沖縄タイムスが伝えた。
古謝氏は、1972年に米国統治下から日本に復帰した沖縄県で、復帰後に生まれた初の知事となる。復帰後の歴代沖縄県知事では最年少だ。
当選が確実となった後、古謝氏は那覇市で記者団に「県民が最も苦しんでいる暮らしや物価高への対応、新産業の育成、子どもの貧困を含む子育て支援の分野にしっかりと力を注ぎたい」と抱負を語った。
玉城知事は「民意を受け止める」と述べた。
これまで沖縄県知事選では、米軍普天間飛行場を辺野古へ移設する問題が最大の争点だった。しかし、辺野古沖で工事が進み、沖縄県が政府との訴訟で相次いで敗訴したことで、県民の関心が薄れたとの分析も出ている。
高市首相は今回の選挙を「政権基盤を占う」選挙と位置付けており、自民党は強力な選挙支援に乗り出した。
小林鷹之自民党政調会長や、連立与党・日本維新の会の吉村洋文代表らも沖縄を訪れ、応援演説を行った。岸田文雄元首相と菅義偉元首相も沖縄で古謝氏への支持を呼びかけた。
毎日新聞は、高市政権が今回の選挙で古謝氏を「国政選挙」並みに支援したと伝えた。
古謝氏は選挙戦で経済振興策を掲げ、政府・与党とのつながりを強調した。米軍普天間飛行場の辺野古移設については容認する立場を取った。
ただ、古謝氏は普天間飛行場の返還時期を明示するよう求めており、日米両政府の対応が注目されると沖縄タイムスは伝えた。
時事通信は、自民党が支援した候補の勝利により、高市首相の政権運営に弾みがつくと分析した。
辺野古移設を容認する古謝氏の勝利を受け、「民意」を背景に移設の動きが加速するものとみられる。

毎日新聞は、特に政府が進める「南西シフト」が加速する可能性があると伝えた。
沖縄を含む南西諸島は、中国と対峙する最前線に位置する。政府は「南西シフト」を掲げ、南西地域の防衛強化に力を入れている。
玉城知事は、目に見える形で米軍基地の負担軽減が実現しない限り、沖縄県内でこれ以上の防衛力増強は認めない立場だった。しかし、古謝氏の勝利により、政府の影響力が沖縄県内で一段と強まる見通しだ。
政府は今後、沖縄が抱える米軍基地の負担を軽減するため、2013年に米国と合意した「統合計画」を着実に進めていく方針だ。同計画は、嘉手納飛行場以南にある6つの米軍専用施設のうち、計約1,048haの土地を返還する内容で、普天間飛行場の辺野古移設も含まれる。
ただ、施設や機能を沖縄県内の別の地域に移すことが返還の条件となっているケースも多い。計画が実現しても、全国の米軍専用施設面積に占める沖縄の割合は、現在の約70%から約69%に低下するにとどまる。

