「1年で180機」が1カ月で1500機に ロシアの高速ドローン攻撃はなぜ急増した?

ロシアが新たな攻撃手法を導入し、ウクライナ国民をさらに強い恐怖に陥れている。AP通信などの海外メディアは1日(現地時間)、ロシアのジェット推進式ドローンによる攻撃で、キーウのスーパーマーケットでは商品棚が空になるなど、市民の間に不安が広がっていると報じた。
ロシアは4年以上にわたりウクライナへの攻撃を続けているが、ここ数カ月の空襲は、市民の日常生活だけでなく生命そのものを脅かすほど深刻な状況となっている。
実際、今年7月に発生した2度の大規模空襲では、民間人約50人が死亡した。さらに先月28日には、ロシアのドローン攻撃によりキーウ郊外のミラ村にある倉庫が爆発し、少なくとも38人が死亡する大惨事となった。
この攻撃に使用されたのが、ロシアが最近急速に投入数を増やしているジェット推進式ドローンだ。
ロシアは、イラン製の「シャヘド236」をベースに、「ゲラン3」「ゲラン4」「ゲラン5」と呼ばれるジェット推進式ドローンを開発し、実戦投入している。
これまでロシアが使用してきたプロペラ式のシャヘド型ドローンは、時速150~200キロ程度と比較的速度が遅いという弱点があった。そのため、ウクライナ軍は低空防空部隊が目視で確認し、機関銃などを使って撃墜することが可能だった。
一方、ジェット推進式ドローンは時速500~600キロに達するため、迎撃には高価な地対空ミサイルや戦闘機を投入しなければならず、ウクライナ側にとって大きな負担となっている。
さらに、目標への到達時間が短くなったことで、市民が避難できる時間も減少している。攻撃の成功率が高まる一方、人的被害が拡大する危険性も大幅に増しており、その影響が実際に大規模な死傷者の発生につながっている形だ。
より深刻なのは、ジェット推進式ドローンの投入数がここ最近、急増している点だ。
ウクライナ国防相顧問のセルヒー・ベスクレストノウ氏は、「ロシアは8月の1カ月間だけで、2,500機を超えるジェット推進式ドローンを発射した」としたうえで、「工場から出荷されると、そのまますぐにウクライナへ送られている」と明らかにした。
報道によると、ロシアが2025年の1年間に使用したジェット推進式ドローンは合計180機だったが、今年7月だけで約1,500機を投入してウクライナを攻撃したという。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も、「先月27日からの4日間で、ロシアはウクライナに向けて約1,500機のドローンを発射し、そのうち約800機がジェットエンジンを搭載したドローンだった」と述べ、強い懸念を示した。
さらに、ジェット推進式ドローンを前面に押し出したロシアの攻撃手法の変化も、ウクライナを一段と追い詰めている。
ロシアはこれまで主に夜間に攻撃を集中させてきたが、最近では24時間にわたり断続的に攻撃を行う方式へと変化しており、ウクライナ国民に休む間も与えない状況を作り出している。
ゼレンスキー大統領は先月30日、自身のテレグラムに「現在のロシアの戦術は、ウクライナとウクライナ国民を疲弊させることだ」と投稿した。
さらに、「モスクワはキーウに対する昼間のドローン攻撃をますます増やしており、空襲警報が絶え間なく鳴り続けている。住宅や事業所、その他の民間インフラにも被害が出ている」と訴えた。


