「日本には売らない」…中国、先端産業の「重要鉱物」イットリウム供給を事実上遮断
日本のイットリウム輸入、昨年末から急減…中国依存度は90%前後
半導体・航空エンジン・発電設備に不可欠…在庫枯渇に業界が警戒
米国には一部輸出再開…日中対立の中「資源の武器化」に懸念

中国が先端産業に不可欠なレアアースの一種、イットリウムの対日輸出を事実上遮断し、製造業でサプライチェーンへの不安が高まっている。半導体や航空宇宙、エネルギー産業など幅広い分野で使われる重要素材だけに、供給停止が長期化すれば生産に支障が出るとの懸念が出ている。
13日(現地時間)、ロイター通信によると、中国から日本へのイットリウム供給は昨年末からほぼ途絶えているという。企業は既存在庫や中国以外の地域から確保した分でしのいでいるものの、供給不足の長期化に伴い調達コストも上昇している。中国は世界のイットリウム生産・精製で圧倒的なシェアを占めており、短期間で代替供給網を確保するのも容易ではない。
イットリウムはあまり聞き慣れない名称だが、先端製造業には欠かせない素材である。半導体製造装置や航空機エンジンの耐熱コーティング、発電用ガスタービン、レーザー、各種電子製品などに使われる。特に航空エンジンやガスタービンなど、高温に耐える必要がある設備には、イットリウムを含む特殊コーティングが使用される。
日本がさらに警戒を強めているのは、中国による供給制限が米国向けとは異なる形で表れているためだ。中国は昨年、レアアースの輸出規制を強化した後、米国向けにはイットリウムの輸出を一部再開したが、日本向けの供給量はなかなか回復していない。日中関係が悪化する中、こうした状況を背景に、中国が重要鉱物のサプライチェーンを外交的な圧力手段として利用しているとの見方も出ている。
政府や企業は供給元の多角化を進めている。オーストラリアや欧州などから代替供給分を確保すると同時に、イットリウムの使用量を減らしたり、リサイクルしたりする方法も検討している。中国はこれまでにも、レアアースやガリウム、ゲルマニウムなど先端産業に不可欠な素材の輸出規制を相次いで強化してきた。イットリウムの供給不安も高まる中、中国の重要鉱物に対する支配力が、米中関係だけでなく日中対立でも重要な要因として浮上している。

