「G20で会おう」対「モスクワに来い」…プーチン・ゼレンスキー首脳会談、駆け引きの背景は?

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と直接会う用意があるとし、首脳会談が実現するかどうかに注目が集まっている。ゼレンスキー大統領は12日(現地時間)に報じられたドイツのドイチェ・ヴェレ(DW)とのインタビューで、「今年12月に米マイアミで開かれるG20首脳会議に出席し、プーチン大統領と直接会う用意がある」としたうえで、「われわれは会って話し合い、決断を下さなければならない」と述べた。プーチン大統領がG20首脳会議に出席するのであれば、自身も出席して会談する考えを示したもので、首脳間の直接交渉を通じて戦争を終結させる意思を示したものとみられる。
また、ゼレンスキー大統領は「ロシアは戦場でわずかな戦果を得るために大きな代償を払っていると思う」としたうえで、「ロシアは毎月3万人以上の兵士を失っていると推定される。だから、われわれは今、交渉で有利な立場にあると考えている」と主張した。

しかし、クレムリンはゼレンスキー大統領の提案を事実上拒否した。ドミトリー・ペスコフ大統領報道官は同日、「プーチン大統領がマイアミに行くかどうかは、まだ分からない」と述べ、外交政策担当のユーリ・ウシャコフ大統領補佐官も「プーチン大統領のG20出席については、議論すらされていない」と話した。ただ、ゼレンスキー大統領がプーチン大統領との会談を望むのであれば、モスクワに来るべきだとする従来の立場を繰り返した。
ロシア側は昨年9月以降、国際社会による仲介の動きがあるたびに、この提案を繰り返してきた。ロシア側は、この招待はウクライナの無条件降伏を引き出すためのものではなく、対話のためだと強調しているが、ウクライナ側は額面通りには受け取っていない。ウクライナ側は、ゼレンスキー大統領がモスクワを訪れる形にすることで、ロシアが和平交渉の主導権を握っていることを示そうとしているとみている。これに対し、ゼレンスキー大統領は「ミサイル攻撃が降り注ぐテロリストの首都には行けない」としたうえで、「来るというなら、プーチン大統領がキーウに来ればいい」と反論し、中立地や第三国での会談を提案している。

プーチン大統領とゼレンスキー大統領は、過去に一度だけ直接会談したことがある。2019年12月にフランス・パリで開かれた4カ国首脳会談で、両氏のほか、フランスとドイツの首脳も参加し、ウクライナ東部のドンバス紛争の解決策について協議した。しかし、2022年2月にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以降、両首脳が直接会談したことは一度もない。

