政府、SNSで偽情報への反論強化…中国・ロシアの「認知戦」に対応
グローバル・サウスの専門家を招き日本の立場を説明
内閣広報室の予算10倍に拡大…専門部署を新設

高市早苗政権は、中国やロシアなどが社会の分断や世論誘導を図る「認知戦」への対策として、SNS上の偽情報に対する反論を強化する。
13日、日経によると、政府関係者が実名と役職を明記したSNSアカウントから虚偽の主張に迅速に反論するとともに、客観的な事実や数値を示し、国際社会に政府の立場を積極的に発信する方針だ。
内閣広報室は2027年度予算案の概算要求で、国内外への情報発信を強化するため約72億円を要求した。内訳は国内向けが約66億円、認知戦への対応を含む海外向けが約5億円で、2026年度予算の約10倍に当たる。
木原稔官房長官は11日の記者会見で、「直接発信する機会を増やし、国際社会で日本の基本的な立場や政策などへの理解を広げたい」と述べた。
政府は海外のシンクタンクや研究機関と連携し、東アジア情勢を議論するシンポジウムを開催する。グローバル・サウスの専門家や高官も招き、外交・安全保障政策について説明する予定だ。
SNSでの対応は既に始まっている。中国外務省の報道官が6月、「X(旧Twitter)」で日本を「新型軍国主義」と批判すると、佐伯耕三内閣広報官は2日後、英語で反論し、中国の軍事費増加を示すグラフを掲載した。
防衛省も6月、報道官の「X(旧Twitter)」アカウントを開設した。7月には、中国側による「日本の再軍事化」との主張に対し、平和国家としての基本理念と専守防衛の原則に変わりはないと反論した。2027年度には、防衛政策局内に認知戦への対応を専門とする部署を新設する予定だ。
外務省も海外情報のAI分析や海外メディアへの寄稿などを拡大するため、2027年度予算として前年度比50%増の555億円を要求した。
防衛省の資料によると、昨年4月には中国版「TikTok」のドウインで、日本が「7隻の準空母と140機のステルス戦闘機を隠している」とする偽情報が拡散した。
専門家らは、政府による積極的な情報発信には一定の効果が期待できるとする一方、各省庁が個別に対応しているため、政府全体での連携が必要だと指摘している。
島田和久元防衛事務次官は、認知戦への対応では省庁間の情報共有と協力が重要だとし、国家情報機関が関連情報を一元的に収集・分析した上で、国家安全保障会議(NSC)が政府全体の対応を統括すべきだと主張した。

