中間選挙まで60日、民主党の下院奪還89% 共和党内で不満が噴き出す理由
宴会場・凱旋門など「トランプのレガシー」づくりに注力
カナダの報復関税・選挙資金の投入遅れに
「選挙に赤信号」共和党議員ら募る焦り
側近の離脱相次ぐ…ヘグセス氏に大統領選出馬説も
予測市場では民主党の上下両院制覇を見込む動き相次ぐ

ドナルド・トランプ米大統領が28日(現地時間)、テキサス州ヒューストンのNASAジョンソン宇宙センターで開かれたイベントで出席者を見つめている。
米中間選挙まで2カ月余りとなる中、トランプ政権内部や共和党で不安が広がっている。最近、ホワイトハウスの主要関係者が相次いで辞任する中、ピート・ヘグセス国防長官が2028年大統領選への出馬を検討しているとの報道まで浮上し、政権内には落ち着かない空気が漂っている。
イラン戦争の長期化や物価高などを受け、中間選挙に「赤信号」がともる一方、トランプ大統領は自身のレガシーを残すことばかりに力を注いでいるとの内部の不満まで、メディアを通じて漏れ始めている。
最近、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は複数の情報筋の話として、「中間選挙を前に敗北への懸念から焦りを強める共和党とは対照的に、トランプ大統領は自らの個人的な功績として残る事業に力を入れており、党内で懸念が広がっている」と報じた。
トランプ大統領は、ホワイトハウスの宴会場やワシントンD.C.の凱旋門建設などに注力するほか、自身の名前や顔がデザインされた限定版パスポート、国立公園の入場券、1ドル記念硬貨などにも強い関心を寄せているという。
政権の高官の一人はWSJに、「トランプ大統領は『政治的レガシーモード(legacy mode)』に入った」と政権内の雰囲気を語った。第1次政権後、自らの政策が後任の大統領によってどれほど早く覆され得るかを目の当たりにしたため、簡単には消し去れないレガシーを残すことに力を注いでいるという。
共和党内の不満も高まっている。その象徴ともいえるのが、中間選挙までわずか60日余りという時期に新たに始まったカナダとの関税戦争だ。
カナダは、水産物、乳製品、オートバイ、洗濯機、プロセスチーズなど、米中間選挙の激戦州で主に生産されている品目を狙い撃ちし、9月8日から報復関税を課すと表明した。該当地域から出馬する共和党議員にとっては、頭を抱えざるを得ない措置となっている。
トランプ大統領が選挙資金を積極的に投入していないことも、不満の種だ。トランプ支持層のスーパーPAC(特別政治活動委員会)「MAGA Inc.」には4億ドル(約640億円)を超える献金が集まっているものの、大規模な資金投入には踏み切っていない。
こうした中、中間選挙を迎える前から政権内では側近の離脱が相次ぎ、不安定な雰囲気が一段と強まっている。
最近では、キャロライン・レビット大統領報道官、アビゲイル・ジャクソン副報道官、デービッド・ウォリントン法律顧問、アンディ・ベーカー国家安全保障担当副補佐官らがホワイトハウスを離れた、あるいは辞任する予定だと伝えられている。
米NBCは複数の情報筋の話として、ヘグセス国防長官が次期大統領選への出馬を検討していると報じた。ただ、ヘグセス氏本人は「100%虚偽だ」と否定している。
こうした状況を受け、トランプ大統領が「米国を再び偉大に(MAGA)」を掲げる勢力を中心に30%の固定支持層を確保しているにもかかわらず、中間選挙では上下両院とも共和党が敗北する可能性があるとの見方も出ている。
予測市場ポリマーケットによると、29日時点で民主党が下院を奪還する確率は89%、上院を獲得する確率は51%となっている。
別の予測市場カルシでも、民主党が上下両院をともに制する確率は47%となり、「上院は共和党、下院は民主党」とする予測の38.9%を上回っている。

