日本、子どもを殺害した後の自殺は「心中」ではなく「児童虐待死」

政府は、親が子どもを殺害した後に自殺する事件について、「心中」という表現を使わないことを決めた。子どもを殺害するという現実を覆い隠しているとの批判を受けたものだ。
こども家庭庁の専門委員会は10日、これまで使ってきた「心中による虐待死」という表現を「保護者の自殺を伴う子どもの虐待死」に変更した。これに伴い、こども家庭庁も用語の修正を進める。
国内では、子どもを殺害した後に自ら命を絶ったり、自殺を図ったりする事件に「心中」という言葉が使われてきた。「心中」は「心の中」という意味で、互いに愛する男女が愛を証明するために一緒に自殺することを意味する言葉として使われている。親が子どもを殺害した後に自ら命を絶つ行為にも、この言葉が使われてきた。警察庁はこうした類型の事件を「無理心中(強制的な心中)」と呼んでいる。
2003年から2024年までに、少なくとも679人の子どもが、自殺を図った保護者によって殺害された。こうした事件は主に、親が生活苦などさまざまな事情を抱えた末に死亡するものだと捉えられ、「児童虐待」だという社会的認識が不足しているとの指摘が続いてきた。親の愛情から生じた行為であるかのように美化される事例もあった。
専門委員会は昨年の報告書で、「子どもは保護者の所有物ではなく、権利の主体である」という認識を社会が持つことが重要だと指摘し、用語を見直す必要性に言及した。
過去の事例を分析した結果、「保護者自身の精神疾患や不安定な状態」「夫婦間の問題などの家庭不和」「子どもの病気や障害」などが背景にあるケースが多かった。専門委員会は、各自治体が自殺予防団体などと連携し、保護者を継続的に支援することが、子どもの命を守る上でも役立つとの見解を示した。
