売買春規制、買う側にも拡大へ 法務省が法改正を検討
売春する側だけでなく買う側も処罰合意に基づく売買春の処罰は慎重に…地下化への懸念

政府は「売買春の観光地化」を防ぐため、売春する側だけでなく買う側も処罰する法改正を進めている。
最近、売春する人たちが公園や路地などに立って客引きをするやり方が世界的な話題となり、これを楽しむ目的で買春目的で訪れる人が増えたため、特段の措置を講じようとしているとみられる。
26日の朝日新聞などによると、政府は買春する側を処罰する方向で現行法の改正に乗り出す。
前日、法務省の売買春規制に関する専門家検討会では、現行の売春防止法で処罰規定がない買春する側による勧誘行為について、処罰規定などの規制を設けるよう求める報告書案が示された。
法務省は報告書の内容を踏まえ、早ければ今年の臨時国会に改正法案を提出する方向で調整しているとされる。
1956年に制定された売春防止法は、売買春行為そのものを処罰せず、そのあっせんや店舗の管理をした人を処罰する。
ただし、公衆に対して売春を勧誘したり客引きをしたりした場合、6か月以下の拘禁刑または2万円以下の罰金が科されることがあるが、この規定は売春する側にのみ適用され、買う側は対象ではない。
成人同士の売買春では買う側を処罰する規定がなく、未成年者を相手に買春した場合に限って処罰され得る。
昨年11月、タイ国籍の少女が東京のマッサージ店で性的なサービスを強要されたことが明らかになって以降、売買春規制を強化すべきだとの声が高まった。
検討会は報告書案で、売春する側の勧誘行為だけに処罰規定があるのは不均衡だとして、買春する側の勧誘行為も処罰すべきだと指摘した。
処罰対象の例として、売春する人を探して徘徊する行為や、売春する側の勧誘に応じる行為などが挙げられた。
最近では、路上に売春する女性が立っていると、買春を希望する人が近づいて声をかけ、場所を移す形で売買春が行われている。
また、罰金刑についても「犯罪抑止の観点から十分とは言い難い」として、罰金の上限額引き上げを提案した。
検討会は、売春する側には困難な事情を抱えている人も多いとして、支援体制の整備も求めた。
ただし、売買春行為そのものを刑事罰の対象とする案については「慎重に検討すべきだ」とした。
売春防止法は売買春を禁止しているが、成人同士の売買春そのものを直接処罰する規定は設けていない。
報告書案には「成人同士の合意に基づく性的関係について、その合意を無効とすることは法的に正当化しにくい」、「売買春が地下化し、売春する側の危険が高まるおそれがある」との意見が盛り込まれた。

