「米金利4.818%」34カ月ぶり高水準 ウォール街がさらなる上昇を警戒する理由
4.818%まで上昇…ひとまず落ち着きを取り戻すも
日欧の金利引き上げ予告など、さらなる火種

米国債10年物の利回りが約3年ぶりの高水準まで急上昇した。幸い、割安感から買いを入れる動きが流入したことで一時的に落ち着きを取り戻したものの、ウォール街ではインフレ(物価上昇)の動向やマクロ環境を踏まえると、さらに上昇する可能性があるとみている。
2日(現地時間)のニューヨーク債券市場で、世界的な指標となる米国債10年物の利回りは取引時間中に4.818%まで上昇し、2023年11月1日以来34か月ぶりの高水準を記録した。金融政策の影響を受けやすい2年物利回りも取引時間中に4.410%まで上昇し、昨年1月以来の高水準となった。30年物利回りも5.296%まで急上昇し、先月18日に記録した直近高値の5.337%に再び迫った。
前日まで5営業日連続で上昇していた米国債利回りは、その後、割安感から買いを入れる動きが流入したことで、取引終了間際にひとまず安定を取り戻した。2年物利回りは前日比0.023ポイント低下の4.371%、10年物は0.014ポイント低下の4.782%、30年物は0.007ポイント低下の5.260%でそれぞれ取引を終えた。
この日、国債利回りが取引時間中に低下に転じたのは、長期にわたる上昇への警戒感から、債券を安値で買おうとする需要が一部流入したためとみられる。特にドナルド・トランプ大統領がホワイトハウスで「イランへの再攻撃があまり長く続くことはないだろう」と発言したことが、割安感からの買い需要を刺激した。
これに加え、ニューヨーク連邦準備銀行のジョン・ウィリアムズ総裁が利上げについて慎重な見方を示したことも、市場の安定に影響した。ウィリアムズ総裁はCNBCのインタビューで、「国債利回りの急上昇は、力強い景気見通しによるものだ」とし、「関税の影響が一部薄れる中、インフレは徐々に鈍化している」と述べた。先月の米民間企業の雇用者数の前月比増加幅が3万8,000人と、今年1月以降で最も小さかったとする雇用情報会社オートマティック・データ・プロセシング(ADP)の報告も、債券投資心理の改善に貢献した。
ウォール街では、インフレの根本的な要因である国際原油価格が上昇傾向にあるうえ、各国政府の債務規模も日増しに拡大していることから、金利の上昇基調が続くと予想している。欧州中央銀行(ECB)や日本銀行(BOJ)など主要中央銀行も、今月の利上げの可能性を示唆している。
