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2026年9月15日(火) 東京 --

「S&P500の約8倍」ポケモンカードが20年で3821%上昇 投資資産になったワケ

引用:YouTube@Logan Paul
引用:YouTube@Logan Paul

子供の遊び道具とみられていた「ポケモンカード」が、世界的に代替投資の対象として注目を集めている。約20年間の価格上昇率が米主要株価指数S&P500の約8倍に達したとのデータもあり、一部の投資家からは、金融資産に匹敵する価値の保存手段であり、「代替通貨」にもなり得るとの声が上がっている。

米紙ニューヨーク・ポストなどが9日(現地時間)に報じたところによると、ゲームやスポーツ分野に投資する米ベンチャーキャピタル、グリフィン・ゲーミング・パートナーズの共同創業者で、50万枚以上のカードを保有するピーター・レビン氏は、最近のインタビューで「明日、世界に破局が訪れたら、その翌日の世界共通通貨はポケモンカードになると確信している」と語った。カードの価値が広く受け入れられる可能性や、市場の将来性に強い自信を示した形だ。

レビン氏は、ポケモンカードの最大の強みとして、誰でも手軽に購入できる点を挙げた。カード専門店だけでなく、ウォルマートやコストコなどの大手小売店でも購入でき、機関投資家か個人かにかかわらず、高額の希少カードを引き当てる機会がある。こうした参加のしやすさが活発な取引を生み、相場の下支えにつながっているという見方だ。

価格の上昇率は、伝統的な金融資産を大きく上回っている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が2025年9月に報じたトレーディングカード分析会社カードラダーのデータによると、ポケモンカードの価格を追う指数は、2004年から2025年8月までに約3,821%上昇した。同期間のS&P500の上昇率483%の約7.9倍に当たる。また、比較期間は異なるものの、米IT大手メタの2012年の上場以降の株価上昇率1,844%も上回った。

実際のカード取引でも、巨額の資金が動いている。米国の人気インフルエンサー、ローガン・ポールは、5年前に500万ドル(約7億7,000万円)で購入した極めて希少なカード「ピカチュウ・イラストレーター」を、今年初めに1,600万ドル(約24億7,000万円)で売却し、過去最高額の記録を更新した。5年間で売却額が購入額の3倍を超えた計算だ。カードの高額化に伴い、6月には米ニュージャージー州で5万ドル(約767万円)相当のカードが盗まれるなど、犯罪の標的となる事件も起きている。

業界では、世界のトレーディングカード市場の規模を年間最大500億ドル(約7兆6,700億円)と推計している。新型コロナウイルスのパンデミック下で潤沢な資金が市場に出回り、ネット上で話題となった銘柄に買いが集中する「ミーム株」ブームとともに、個人投資家の資金がカード市場にも流入した。最近ではディズニーやハズブロなどの大手エンターテインメント企業も、自社のキャラクターや作品などの知的財産(IP)を活用してカード事業を拡大し、市場の裾野を広げている。

ただし、市場の専門家は慎重な判断を求めている。ポケモンカードは、株式などと同じ金融規制や情報開示の枠組みで取引される資産ではない。保存状態のわずかな違いやキャラクターの人気、流行によって価格が大きく変動する可能性もある。ウォール街の一部では、思い出や懐かしさという文化的な価値を背景に、独自の代替投資分野を築いたとの評価がある一方、換金のしやすさや価格変動のリスクを慎重に見極める必要があるとの指摘も出ている。

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