ネパール・中国国境洪水、死者1019人・不明4462人 発電所トンネルで遺体4人

ネパールと中国の国境に近いヒマラヤ山岳地帯で大規模な洪水が発生してから、1週間が経過した。ネパールでは水力発電所のトンネルを中心に捜索が続き、複数の遺体が相次いで発見されている。
AP通信やロイター通信などが1日(現地時間)に報じたところによると、ネパール軍は、泥に埋まった水力発電所のトンネル3カ所から遺体4体を収容したと発表した。
アッパー・トリシュリ1水力発電所のトンネルで1体、近隣のチリメ水力発電所のトンネルで2体が見つかった。残る1体が発見された場所や、犠牲者の身元は確認されていない。
発電所で639人が不明・孤立
ネパール災害管理庁は同日、複数の水力発電所で少なくとも639人が行方不明または孤立していると発表した。
発電所関係者の行方不明者数は、従来の推計である933人から約290人減少した。ただ、減少した理由は明らかにされていない。
救助当局は、ネパール中部バグマティ州にあるアッパー・トリシュリ3A、3B水力発電所を中心に、進入経路の確保を急いでいる。しかし、大量の泥や土砂、巨岩に阻まれ、作業は難航している。

ネパール軍のラジャ・ラム・バスネット報道官はロイター通信に対し、「大量のがれきが堆積しており、トンネルへの進入は極めて困難だ」と説明した。
進入できる一部のトンネルでは、熱画像カメラを搭載したドローンを投入し、生存者の捜索を進めている。
アッパー・トリシュリ3A水力発電所では、トンネル上部に穴を開け、救助隊員がロープを使って内部へ入ることに成功した。ただ、行方不明者は見つからなかった。
当局はトンネル内に空気を送り込んだうえで、医療用品や通信機器を携行した救助隊を追加投入する方針だ。
酸素不足や脱水症状を懸念
発生から時間が経過するにつれ、生存者を救出できる可能性の低下が懸念されている。専門家は、密閉された空間で酸素が不足し、窒息につながる危険性を指摘している。
トンネル内に非常用の飲料水や食料がどの程度備蓄されているかも分かっていない。高温多湿の環境によって脱水症状が進む恐れもある。
救助活動が続く一方、被害規模はさらに拡大している。ネパールと中国の当局が発表した人数を合わせると、死者は少なくとも1019人、行方不明者は4462人に上っている。

