「6100人感染、2950人死亡」コンゴでエボラ拡大、内戦激化で防疫はなぜ難航?

アフリカ中部のコンゴ民主共和国(DRコンゴ)東部で戦闘が再び激化し、多数の住民が避難を余儀なくされている。住民の移動や治安悪化により、エボラウイルス病の感染状況の把握や防疫活動も難航している。
国連人道問題調整事務所(OCHA)が1日(現地時間)に発表した。
OCHAによると、戦闘の激化に伴って住民が自宅を離れ、大規模な避難が発生している。人の移動が続く一方、支援機関が活動できる地域は限られ、感染者の追跡や治療、防疫活動に大きな支障が出ている。
8月30日時点で、DRコンゴの保健当局が確認したエボラの感染者は6,100人に上り、このうち2,950人以上が死亡した。
エボラ流行地で37人死亡、35人拉致
感染が最も深刻な東部イツリ州では、先月29日にマンバサ地域で激しい戦闘が発生した。
OCHAによると、この戦闘で少なくとも民間人37人が死亡し、35人が武装勢力に拉致された。
同地域では、過去1カ月間に民間人86人が戦闘に巻き込まれて死亡している。
隣接する南キブ州でも、8月23日以降、1万5,000人を超える住民が避難した。北キブ州でも戦闘を逃れるため、多数の住民が自宅を離れている。
避難した人の多くは家族単位で移動しており、食料や寝場所、医療サービスを十分に確保できていない。
OCHAは「このような困難な状況でも、国連と人道支援機関は現地当局による防疫活動への支援を続ける」と表明した。

2300万件の健康検査を実施
国際移住機関(IOM)はこれまでに、DRコンゴと周辺国で計2,300万件の健康検査を実施した。
避難する住民の移動や感染状況を追跡し、国境を越えた移動によってエボラが周辺国へ拡大する事態を警戒している。
国連はすべての武装勢力に対し、民間人を保護し、民間施設への攻撃をやめるよう求めた。人道支援機関による活動を継続的に受け入れることも要請している。
特にエボラの流行地域については、人命救助に必要な物資の搬入や、感染予防と治療への協力を求めた。
国連「防疫だけでは対応できない」
国連のトム・フレッチャー人道問題担当事務次長は、「感染が急拡大する状況では、防疫だけに頼ることはできない」と述べた。
避難民に対し、医療だけでなく、安全な飲料水や衛生設備、食料、生計支援を同時に提供する必要があると強調した。
世界保健機関(WHO)が開いたオンライン説明会では、「これを実現するためには、何よりも住民との信頼を回復することが急務だ」と述べた。
さらに「時間はわれわれの味方ではない。感染を防ぐ経験や手段、命を懸けて人々を救おうとする支援要員はいる。今必要なのは、政治的な意思と積極的な協力、十分な資源だ」と訴えた。
そのうえで「エボラよりも早く行動しなければならない。これは時間との闘いだ」と警告した。


