米国防総省、300万人超にChatGPTとGrok提供 Claudeは対象外
米国防総省、300万人超にChatGPTとGrok提供 Claudeは対象外

米国防総省は、軍人と文民職員の計300万人超を対象に、内部の生成AIポータルを通じてChatGPTとGrokの提供を始めた。一方、AIの軍事利用を巡って国防総省と対立してきたAnthropic(アンソロピック)のClaudeは、導入対象から外れた。
米テクノロジー専門メディアのTechCrunchは先月31日(現地時間)、国防総省の発表を引用し、OpenAIの「ChatGPT Mil」と、スペースX傘下のAI企業xAIが提供する「Grok for Government」が、国防総省の生成AIポータル「GenAI.mil」に追加されたと報じた。
Claudeは今回の導入対象に含まれなかった。TechCrunchは、国防総省がAnthropicとの対立後、他のAI企業との協力を広げるなかで、Claudeが対象から除外されたと指摘した。
AIの軍事利用条件を巡り対立

Anthropicと国防総省は、AIの軍事利用に関する条件をを巡って対立してきた。
国防総省は、法律で認められるすべての用途にClaudeを利用できるようにすべきだと要求した。これに対しAnthropicは、米国人を対象とする大規模な国内監視や、人間による最終承認を経ずに武力を行使する完全自律型兵器への利用は禁止すべきだと主張した。
トランプ政権は2023年3月、Anthropicを国家安全保障上の「サプライチェーンリスク」に指定した。
しかし、カリフォルニア州北部地区連邦地裁のリタ・リン判事は先月27日、この指定を違法な報復で恣意的な措置だと判断し、指定を無効として執行を差し止めた。
別の法律に基づくサプライチェーンリスク指定の適法性を争う訴訟は、ワシントンで係争中だ。
統制非機密情報に対応、軍事機密は入力不可
GenAI.milは2023年12月、国防総省の職員が一般消費者向けのAIサービスに機密資料を送信することなく、商用AIモデルを利用できるようにするため開設された。
開設当初は、Googleの政府機関向けAI「Gemini for Government」が導入された。国防総省によると、開設から9カ月で170万人以上がポータルの利用登録を済ませた。ただ、実際の利用頻度は公表していない。
ChatGPT MilとGrok for Governmentはいずれも、機密情報を扱うシステムではない。ただし、保護や管理が必要な「統制非機密情報(CUI)」を処理できる国防総省のセキュリティーレベル「IL5」の認証を取得している。
このため、両ツールに軍事機密を入力することはできない。
OpenAIは、ChatGPT Milで処理されるデータについて、外部の商用サービスから分離された政府専用環境内に保持され、一般向け・商用モデルの訓練や改善には使用されないと説明している。一方、データの保存期間や利用記録の管理方法は公表していない。

