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2026年9月4日(金) 東京 --

「今は戦争とは呼ばない」バンス氏、イランとの6週間の戦闘を否定 民主党は反発

引用:毎日新聞
引用:毎日新聞

JD・バンス米副大統領が、現在のイランとの衝突について「戦争とは呼ばない」と主張し、民主党から強い反発を受けている。

バンス副大統領は3日(現地時間)、ホワイトハウスでの記者会見で、11月の中間選挙までにイランとの戦争が終わるとみているのかとの記者団の質問に、「今は戦争とは呼ばない。現在、活発な交戦は行われていない」と答えた。

続けて、「主要な戦闘作戦は約6週間続いた。この間にイランの核施設や産業基盤、通常戦力は破壊された」と説明。その上で、「ただし、この『衝突』がいつ完全に終わるかは分からない。イランがいつ船舶への攻撃をやめるのかという質問なら、私には答えられない。イランに聞くべきだ」と述べた。

バンス副大統領が現在の米国とイランの戦いについて「戦争ではない」と主張した背景には、中間選挙を前に長期化する中東情勢や原油高を巡り、共和党内外で高まる懸念を抑えたい狙いがあるとの見方が出ている。

これに民主党は強く反発した。

民主党のロー・カンナ下院議員は、「まるで米国民が自分のスマートフォンや自分の目で見ている現実すら見えていないかのように振る舞っている。信じがたいガスライティングだ」と批判した。

さらに、「これは戦争だ。これが戦争だと分かっている人物がいるとすれば、ドナルド・トランプ大統領本人だ。彼自身、われわれはこの戦争に勝っていると主張している」と述べた。

ニューヨーク・タイムズ(NYT)も、バンス副大統領が「現在は活発な交戦がないため、米国とイランは戦争状態ではない」と発言したことについて、「ここ数日の間にも双方は攻撃を応酬している」とし、事実と異なると指摘した。

米国で「戦争」という言葉はボルデモート?

米国がイランとの戦争を「戦争」と呼ぶことを避けたのは、今回が初めてではない。

今年2月28日、米国とイスラエルがイランを先制攻撃して戦闘が始まって以降、米国内では一貫して「戦争」という表現を避けようとする動きがみられた。

開戦から約1カ月後の3月、米政権は議会が持つ宣戦布告権と、大統領による軍事行動の裁量権との衝突を避けるため、「戦争」ではなく「衝突・紛争(conflict)」や「敵対行為(hostilities)」といった表現を主に使用した。

当時、共和党議員らは、トランプ大統領が始めた今回の戦闘では地上軍を投入していないため、憲法上の意味での「戦争」には当たらないとの趣旨の主張を展開した。

共和党議員らがイラン情勢を「大規模戦闘作戦」「任務」「敵対行為」などと表現したことから、一部では共和党にとって「戦争」という言葉は、小説『ハリー・ポッター』で名前を口にすることを恐れられた悪役「ボルデモート」のような存在だと皮肉る声も出た。

米国防総省でさえ当時、「戦争」という表現を避けるため「エピック・フューリー(Epic Fury)」という作戦名を使ったが、皮肉にもトランプ大統領自身は公式の場で「戦争」という言葉を繰り返し使用している。

トランプ大統領は開戦直後、記者団にイランへの攻撃状況を説明する中で、「戦争の前線で、われわれは非常にうまくやっている」と発言した。

中間選挙を前に原油高の責任をウクライナへ転嫁する米国

一方、トランプ大統領はホワイトハウス復帰前から公約していたウクライナ戦争の終結でも目立った成果を上げられず、さらにイランとの戦争まで長期化する中、11月の中間選挙を前に有権者の支持を十分に得られていないとの見方が出ている。

イラン戦争による原油高と物価高が続く中、米政権はその責任の一部をウクライナに求める姿勢も見せている。

ニューヨーク・タイムズの3日の報道によると、スコット・ベッセント米財務長官は主要20カ国・地域(G20)財務相会議後、「ウクライナによるロシアの石油インフラへの攻撃が、世界的なエネルギーショックを引き起こしている要因の一つだ」と述べた。

これに対し、ウクライナ内務相の元顧問アントン・ゲラシチェンコ氏はSNSで、「原油価格上昇の主な原因はイラン戦争だ」と反論した。

さらに、「ウクライナによる攻撃でロシアがウクライナへの侵略戦争を続ける能力が弱まったことよりも、イラン戦争の方が世界のエネルギー市場に与えた影響ははるかに大きい」と主張した。

ベッセント長官は前日にも、現在の米国の原油高をウクライナの責任とする趣旨の発言をしている。

2日にFOXニュースへ出演した際には、「われわれは今、エネルギーショックに直面している。これはウクライナ戦争とイラン紛争によるものだ。ウクライナがロシアのエネルギー資産や石油精製施設を爆破することを決めたため、世界的に価格上昇圧力が生じている」と主張した。

ベッセント長官は、米政権高官の中でも特にウクライナとの関係がぎくしゃくしてきた人物として知られている。

昨年にはトランプ大統領に対し、「ウクライナと米国の鉱物協定が締結されるまで、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領をホワイトハウスに招かない方がよい」と進言した。

また、ゼレンスキー大統領について、「欧州人の特別な助けを必要とする『子ども』だ」と皮肉ったこともある。

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