「わずか数分で60発」パトリオット連射…弾道ミサイル1発に迎撃弾3発を使用

米国が運用するパトリオットミサイル防衛システムが、イランの弾道ミサイルを迎撃する様子を捉えた映像が公開された。
ウクライナの軍事専門メディア、ディフェンス・エクスプレスは9日(現地時間)、「米国はヨルダンでパトリオットミサイルを惜しみなく、最大限の規模で発射している」とし、「わずか数分で60発を発射した」と伝えた。
報道によると、イランは8日、ヨルダンで米軍が使用するムワファク・サルティ空軍基地を攻撃したという。ヨルダン当局は「防空網がイランの弾道ミサイル20発のうち18発を迎撃し、残る2発も目標に到達する前に撃墜した」と明らかにした。
公開された映像には、当時、交戦中のパトリオット部隊が迎撃ミサイルを惜しみなく次々と発射する様子が収められている。
ディフェンス・エクスプレスは「今回入手した映像を分析した結果、米軍は防衛戦の最中に約60発のパトリオットミサイルを発射したと推定される」とし、「これはイランの弾道ミサイル1発につき、およそ3発の迎撃ミサイルが発射されたことを意味する」と説明した。
さらに、「パトリオット部隊は飛来するイランのミサイルを迎撃するため、事実上『機関銃モード』で作戦を展開した」と付け加えた。
今回の攻撃では、イランがクラスター弾を搭載した弾道ミサイルを使用した形跡も確認された。
これについて、ウクライナメディアのユナイテッド24は「クラスター弾を搭載したイランの弾道ミサイルは、米軍の迎撃作戦にさらなる困難をもたらしている」と分析した。
迎撃ミサイル不足、さらに深刻化か
米国が2月28日にイランとの戦争を開始して以降、パトリオットミサイルなど防空システムの不足がたびたび指摘されてきた。
防空装備の多くは中東に展開する米軍基地で消耗しており、一部では、パトリオットミサイルの過剰な消費は、米軍ではなく外国の運用要員の訓練不足や経験不足が原因ではないかとの見方も出ていた。
パトリオットの運用に習熟した米軍ではなく、現地の運用要員が防空システムを稼働させる過程で、必要以上に多くの迎撃ミサイルを使用したというものだ。
しかし、今回の事例は、米国の防空戦力不足が単に経験の浅い外国の運用要員によるものではない可能性を示しているとの分析が出ている。
ディフェンス・エクスプレスによると、ヨルダンは公式にはパトリオットミサイルを保有しておらず、米国は必要に応じ、自国のインフラや同盟国を守るため、現地にパトリオットシステムを配備しているという。
このため、今回のヨルダンの米軍基地での事例について、同メディアは、ヨルダン軍ではなく米軍がパトリオットを運用していた可能性が高いと説明している。
同メディアは「今回の事例は、パトリオットミサイルの過剰な消費を外国の運用要員の訓練レベルのせいにはできないことを示している」とし、「しかもイランは今回の戦争が始まって以降、中東にある米軍施設に定期的に弾道ミサイルを発射してきたため、経験不足を言い訳にすることもできない」と指摘した。
続けて「3月初めにも同じ基地が攻撃され、6月10日、7月18日、8月31日にもイランによる攻撃があった。米軍はそのたびに同程度の迎撃ミサイル戦力を投入した」とし、防空ミサイルの大量消費が単なる運用経験不足によるものではない可能性を強調した。
弾道ミサイル1発の迎撃に3発必要なパトリオット
今回の事例は、ロシアの弾道ミサイルを防ぐためパトリオットシステムに依存するウクライナにも警戒感を抱かせている。
ユナイテッド24は「世界で最も高価で、生産も難しい迎撃ミサイルが、わずか数分で大量に消費される可能性がある」とし、「重要なのは、パトリオットシステムが敵の弾道ミサイルを迎撃できるかどうかだけでなく、継続的な攻撃が始まった場合にどれだけのミサイルが必要になるかだ」と指摘した。
さらに、「米軍は8月30日夜から31日未明にかけて、イランの弾道ミサイル攻撃からヨルダンの軍事基地を防衛する過程で、一晩に少なくとも96発、多ければ128発の最新型パトリオットPAC-3ミサイルを使用した可能性がある」とし、「これは米国が保有すると推定されるミサイル在庫の最大17%に相当する」と付け加えた。
