【月面探査】中国、月研究基地に「ロボット犬」活用構想 資源探査を想定

中国が推進する月面研究基地において、人間の宇宙飛行士をサポートする「ロボット犬(四足歩行ロボット)」が投入される可能性が浮上した。
香港紙のサウスチャイナ・モーニング・ポストは8日、中国空間技術研究院(CAST)の研究チームが、月面のパトロールや危険要素の検知を行うと同時に、岩石の採取や資源探査などを遂行するロボット犬の活用案を提示したと報じた。
研究チームの構想によると、3人の宇宙飛行士が知能型ロボット群とともに月面を探査するという。1人は2台のロボット犬を操縦して月面の危険要素をチェックし、もう1人は岩石を採取するなどの科学任務を遂行する計画だ。残る1人はバンサイズの有人与圧ローバー(キャンピングカー型の移動式居住モジュール)に留まり、任務全体の調整や他のロボットの統制を担当する。
ロボットの役割は単なる探査にとどまらない。月の氷(水)の採取や鉱物の採掘はもちろんのこと、溶岩チューブ(溶岩洞)を居住空間に改造したり、現地資源を活用して構造物を建設する作業にも活用できる。研究基地内では、パトロールや施設点検、空気および温度の調節、清掃、植物の管理、食事の準備といった日常業務も担うことが可能だ。さらに、宇宙飛行士と対話を交わすことで、孤立した環境下で生じ得る心理的負担を和らげる役割も期待されている。
中国はロシアなどの国際パートナーとともに、月の南極付近に「国際月科学研究ステーション(ILRS)」を建設する計画を推進している。中国は2030年までの有人月面着陸を目指しており、2035年までに基本的な研究基地を構築したうえで、2045年には月周回軌道ステーションを含む大規模施設へと拡大する構想である。
ただし、月面は人工知能(AI)の学習に必要な実際のデータが不足しているうえ、通信・航法インフラも自前で構築しなければならず、技術的な課題が残されている。研究チームは、今後の月面探査において人間が重要な意思決定を下し、ロボットが危険で反復的な作業を担う協力体制こそが中核になると見込んでいる。
