米下院、暫定予算案を可決…12月11日まで政府閉鎖回避の見通し
民主党も賛成し370票で可決…イラン戦争支援や国防費増額など大型案件は中間選挙後に先送り

ドナルド・トランプ米大統領の第2期政権発足以降、与野党対立によって繰り返されてきた米連邦政府のシャットダウンは、11月の中間選挙後となる12月11日までは回避される見通しとなった。
1日(現地時間)、米議会専門メディアのザ・ヒルなどによると、米下院は連邦政府予算の期限を12月11日まで延長する暫定予算案を賛成370票、反対48票で可決した。共和党議員19人と民主党議員29人が反対票を投じた。上院はこれに先立ち、休会直前の8月8日に同法案を圧倒的な票差で可決した。
今回下院で可決された暫定予算案は、トランプ大統領の署名を経て成立する予定だ。
今回の暫定予算案の柱は、中間選挙から1か月後の12月11日まで連邦政府の支出水準を現行のまま凍結することだ。2026会計年度予算は9月30日付で期限を迎え、シャットダウンを避けるには2027会計年度予算案を成立させる必要があるが、12本の歳出法案のうち1本も処理されていないため、暫定的に予算の期限を延長したものだ。
トランプ第2期政権の発足初年だった2025年は、議会が本格予算だけでなく暫定予算案の処理にも失敗し、シャットダウンに至った。当時、無給状態に追い込まれた多数の職員が休職を余儀なくされる中、航空便の混乱や補助金支給の停止などが相次ぎ、シャットダウンは過去最長となる43日間続いた。2026年もトランプ政権の強硬な移民政策に反発した民主党の抵抗により、国土安全保障省(DHS)が76日間にわたる部分的なシャットダウンを経験した。
今回、異例の超党派の支持が集まった背景には、中間選挙を前にシャットダウンの責任を問われる事態を両党とも避けたかったとの分析がある。イラン戦争の影響による原油価格の上昇と、関税による物価上昇圧力ですでに有権者の不満が高まっている中、シャットダウンまで重なれば、有権者離れが一段と加速する可能性があるとの懸念が働いたとみられる。
法案成立に向けた最後の手続きはトランプ大統領の署名だが、実際に署名するかどうかは不透明だ。トランプ大統領は、投票時に市民権の証明を義務付け、郵便投票を大幅に制限する有権者ID法案「セーブ・アメリカ法」が議会を通過するまで、どの法案にも署名しないと公言してきたためだ。ただ、2025年6月に与野党の合意で可決された大規模住宅供給促進法が、送付から10日後に大統領の署名なしで自動的に成立した前例があるため、今回の予算案も同様に大統領の署名なしで成立する可能性がある。
今回の暫定予算案の可決により、950億ドル(約14兆9,800億円)規模のイラン戦争緊急支援案や、国防総省の基本予算を3,500億ドル(約55兆2,000億円)増額する案など、政治的に敏感な懸案を巡る議論は中間選挙後に先送りされた。
今回の法案には、民主党側の要求も反映された。ホワイトハウス予算管理局(OMB)が連邦補助金の執行手続きに恣意的に介入したり、手続きを変更したりできないよう制限する条項や、米国境警備隊が法的な抜け穴を利用して移民取り締まり予算を追加確保することを防ぐ条項などが盛り込まれた。



