円急騰、約半年ぶり高値…ヘッジファンドが相次ぎ円売りポジション解消
日銀の追加利上げ観測が強まる中、中東情勢の緊張緩和なら一段の円高も

円相場が1ドル=153円台まで上昇し、約半年ぶりの高値を付けた。日米の通貨当局が円安是正に向け、共同介入など具体的な措置に乗り出すとの期待と、日銀が利上げペースを速めるとの観測が重なった影響だ。ヘッジファンドだけでなく、中長期投資家も円売りポジションを解消し、円高の流れが一段と強まっている。
8日の東京外国為替市場で、円相場は一時1ドル=153円台まで上昇した。2026年2月以来、約6か月ぶりの高値となった。7日午後5時には1ドル=155円50銭台で取引されていたが、その後も円買いが続き、154円台を経て153円台まで円高が進んだ。
円相場は、4月末から5月と7月の政府・日銀による円買い介入時にも到達できなかった1ドル=155円を超える円高水準に進んだ。市場では、短期投機筋によるポジション解消にとどまらず、円売りの流れ自体が変わりつつあるとの分析が出ている。
三菱UFJの関係者は「ヘッジファンドだけでなく、中長期投資家も円売り・ドル買いポジションを解消するなど、モメンタムが変化している」と述べた。
強まる日銀の利上げ観測
円高の背景には、日米通貨当局の政策変更への期待がある。スコット・ベーセント米財務長官は最近、円の大幅な過小評価に対応するため、日本が断固とした市場・金融政策上の措置を講じることへの強い支持を繰り返し表明した。市場では、日米両国が為替市場への共同介入など、円安是正に向けた具体的な行動に乗り出す可能性が意識されている。
日銀の追加利上げ観測も円買いを支えている。市場は9月17日から18日の金融政策決定会合で、0.25%ポイントの利上げをほぼ織り込んでいる。その後も約3か月に1度のペースで利上げが続くか、最終的な政策金利水準が従来の予想より高くなるとの観測が広がっている。
中東情勢の緊張緩和への期待もドル安要因となった。イラン外務省は7日、ホルムズ海峡の臨時航路を巡るオマーンとの交渉が最終段階にあり、早ければ数日以内に合意する可能性があると明らかにした。こうした期待から、中東情勢が緊迫した際に安全資産としてドルを買う動きも後退している。
市場では、円売りポジションが積み上がっていたところに、日米当局の政策対応への期待と中東情勢の緊張緩和が重なり、円高が加速しているとの見方が出ている。ただし、今後の円相場の行方は、日銀の実際の利上げペースや日米当局の対応、中東情勢の変化によって左右される見通しだ。

