貿易収支、上半期は2021年以来の黒字 自動車・半導体輸出が増加
貿易収支、2021年以降で初の黒字
米国向け自動車・アジア向け半導体の輸出が増加
海外投資の所得20兆円超で過去最高
6月は原油高が直撃…17カ月ぶりの赤字

今年上半期(1〜6月)の経常収支の黒字は、輸出の好調に支えられ17兆円を超えた。米国への自動車と、アジアへの半導体の輸出が増え、貿易収支が2021年以降で初めて黒字に転じたほか、海外で得た利子や配当の所得も過去最高を記録した。ただ、6月は中東情勢の不安による原油価格の高騰で、経常収支が17カ月ぶりに赤字に転じた。
10日、財務省が発表した2026年上半期の国際収支の速報値によると、経常収支は17兆4,292億円の黒字で、前年同期比22.5%増加した。
貿易収支が黒字に転じた影響が大きかった。上半期の貿易収支は7,421億円の黒字で、昨年の同じ時期の1兆4,636億円の赤字から大きく改善した。上半期としては2021年以降で初の黒字だ。米国への自動車の輸出と、アジアへの半導体など電子部品の輸出が増え、輸出額が輸入額を上回った。
企業の海外投資による収益も経常黒字を支えた。海外投資から生じた利子や配当などを示す第1次所得収支は20兆4,914億円の黒字で、上半期としては過去最高を記録した。企業の海外投資が拡大し、海外の子会社から受け取る配当金が増えた影響だ。
一方、サービス収支は1兆8,223億円の赤字で、赤字の幅が前年同期より15.4%拡大した。旅行収支は3兆1,328億円の黒字を記録したが、黒字の幅は14.3%縮小した。訪日外国人が減った一方、海外に出かける日本人が増え、円安で海外での支出の負担が大きくなった。
上半期の全体では大規模な黒字となったが、6月の経常収支は923億円の赤字に転じた。月間の経常収支の赤字は17カ月ぶりだ。
経常黒字を支える第1次所得収支の黒字が3,801億円と、前年同月比73.7%急減した。海外の投資家に支払う企業の配当金が増えた影響だ。
中東情勢の不安による原油価格の高騰も直撃した。6月の輸入額は10兆6,153億円で、前年同月比24.3%増加した。
中東産の原油の輸入量は569万キロリットルで40.6%減ったが、円建ての原油の価格は1キロリットル当たり11万7,684円と84.7%跳ね上がった。比較が可能な統計が始まった1979年以降で最高の値だ。中東発の原油高に円安が重なり、輸入の負担が急増した。
