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2026年9月7日(月) 東京 --

「高値から54.5%下落」キオクシアに海外投資家殺到 それでも買いなのか

高値から54.5%急落

AI向けNANDの成長性と割安感巡り投資家の判断分かれる

引用:キオクシア公式サイト
引用:キオクシア公式サイト

株価が約2か月で高値から54%以上下落したメモリー半導体大手キオクシアホールディングスに、海外機関投資家から面談要請が相次いでいる。日本経済新聞が3日、報じた。既存投資家が保有を続けるか再検討する一方、新規投資家は下落幅が過大だったのかを見極めようとしている。

東京証券取引所でキオクシア株は同日午前11時30分時点で、前営業日比310円(0.61%)高の5万1,310円となった。6月22日に付けた年初来高値11万2,700円からは6万1,390円(54.5%)下落している。ただ、1月6日の年初来安値1万945円と比べると4.7倍の水準だ。時価総額は約28兆1,411億円となっている。

■半値になっても…海外大口投資家の面談要請相次ぐ

日経によると、バンク・オブ・アメリカ(BofA)が4日まで東京で開く日本株コンファレンスでは、海外投資家からの面談要請が多かった上位20社をAI関連株が占めた。

先月末に大阪で開かれたUBSのコンファレンスでも、キオクシア、イビデン、村田製作所、ローム、KOKUSAI ELECTRIC、TDKなどに100件を超える個別面談の要請が寄せられた。中でもキオクシアへの関心が際立っていたという。

ただ、面談要請が直ちに買いにつながるわけではない。BofA証券日本株営業部長の山上晋一郎氏は「6月まで続いた上昇局面でAI株を買った投資家が、売るのか、保有を続けるのかを判断している」とした上で、「現時点では持ち続けようとする投資家の方が多い雰囲気だ」と述べた。

キオクシア株は1月の年初来安値から6月の高値まで約10倍に上昇した後、半値程度まで下落した。投資家の判断も難しくなっている。ある外資系証券会社の営業担当者は「キオクシアの株価が回復しないことに、投資家は非常に頭を悩ませている」と述べた。

一方、下落幅が過大だとみて、次の買い場を探す投資家もいる。UBS証券株式営業部長の中冨良祐氏は「キオクシアの人気は依然として圧倒的だ」と話した。

AI関連事業の業績が堅調なことから、調整局面で過度に売られた銘柄を探す動きも出ているという。

海外の競合他社に比べて割安なバリュエーションも、買いを検討する材料となっている。キオクシアの今後12か月の予想株価収益率(PER)は2日時点で4.2倍と、米マイクロン・テクノロジーの約6倍、サンディスクの約7倍を下回る。

■AI向けNANDに5兆円投資…供給過剰への懸念も

業績回復の鍵を握るのは、人工知能(AI)向けNANDフラッシュメモリーの需要だ。AIの活用範囲は、大規模なデータを学習する「訓練」から、学習した情報を基に回答を生成する「推論」へと拡大している。これに伴い、企業向けソリッドステートドライブ(SSD)の需要が急速に増えている。

市場調査会社ガートナーによると、世界のNAND市場規模は昨年の681億ドル(約10兆6,300億円)から、今年は3,216億ドル(約50兆1,800億円)へ4.7倍に拡大する見通しだ。データセンター事業者がメモリーを安定的に確保するため、2~3年単位の長期契約を結ぶケースも増えている。

キオクシアは需要拡大に対応するため、米サンディスクと今後6年間で国内の生産施設に総額5兆円を投資する。このうち1兆8,000億円を投じ、岩手県の北上工場に第3工場棟を建設し、2029年度から量産を開始する計画だ。

キオクシア社長の太田裕雄氏は、メモリー需要が予想以上のペースで増えていることを受け、新工場棟の稼働時期を当初の計画から「年単位で前倒しした」と明らかにした。過剰投資への懸念については「シェアを過度に高めようとするものではなく、市場の成長率についていくための投資だ」と説明した。

韓国のSKハイニックスとの協力の可能性も注目されている。朝日新聞によると、SKグループの崔泰源会長は最近、キオクシアとの共同生産を選択肢の一つとして挙げた。研究開発(R&D)やサプライチェーンの共有など、様々な形で協力が可能だとの考えも示した。

一方、大規模な増産投資が供給過剰につながる可能性はリスク要因だ。日経は、韓国のサムスン電子とSKハイニックスが増産を進める中、中国の長江メモリ・テクノロジー(YMTC)も政府の支援を受けて生産能力を拡大していると伝えた。供給の増加ペースが需要を上回れば、NAND価格が再び下落する可能性がある。

海外投資家には日本株を買い増す余力が生まれている。ゴールドマン・サックスによると、ヘッジファンドの日本株への投資比率は6月の約13%から最近では約4ポイント低下した。海外投資家も6月末以降、日本株を1兆4,000億円超売り越している。

中冨部長は「ヘッジファンドはマクロ経済の不確実性が解消されれば、保有株を増やせばよいという立場だ」と述べた。日経は、今月に米国と日本の金融政策会合が終われば、投資家が再び動きやすくなるとの見方を示した。

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