「不動産は値下がりしない?待てばもう買えない」日本の20代が“50年住宅ローン”まで利用

住宅価格の下落を懸念し、マイホームの購入に慎重だった20代の意識が変わりつつある。今ではむしろ、「これ以上待てば家を買えなくなる」との不安から、購入を急ぐ若い世帯が増えている。
実際、世帯主が29歳以下の2人以上世帯の持ち家率は、2025年に初めて40%を超え、過去最高を記録した。住宅価格の高騰に加えて金利も上昇し始める中、返済期間が最長50年に及ぶ住宅ローンを利用して家を購入する若者も増えている。
「これ以上待てば買えない」 20代の持ち家率が初の40%超
産経新聞が6日、総務省の家計調査を基に報じたところによると、2025年の世帯主が29歳以下の2人以上世帯の持ち家率は40.7%だった。比較可能な統計が始まった2000年以降で最も高い水準となった。
2000年代前半から半ばにかけて、こうした世帯の持ち家率は20%台前半にとどまっていた。その後は上昇と低下を繰り返し、2015年から2023年まではおおむね30%台前半で推移していたが、2024年から急速に上昇し、2025年に初めて40%台に達した。
かつて若い世代は、住宅購入に比較的慎重だった。1990年代初めのバブル経済崩壊により、住宅価格は上昇し続けるという「不動産神話」が崩れ、値下がりのリスクを負って家を購入するよりも、賃貸住宅を選ぶ傾向が強まった。
しかし、最近は状況が逆転している。住宅価格が上昇を続ける一方、日銀の利上げに伴って住宅ローン金利も上昇する可能性が高まり、購入を先送りするほど、より高い価格と金利を負担することになるとの不安が広がっているためだ。
首都圏の新築マンション平均1億円超 最長50年の住宅ローンも
マンション価格は急速に上昇している。不動産経済研究所によると、今年上半期の首都圏の新築分譲マンションの平均価格は、初めて1億円を超えた。
大阪府などを含む近畿圏も平均5,453万円となり、前年上半期に続いて過去2番目に高い水準を記録した。バブル経済期だった1991年上半期の平均5,221万円も上回った。
金融機関は若い世代の住宅購入需要に対応し、返済期間を最長50年とする超長期住宅ローンを相次いで提供している。返済期間を延ばすことで毎月の元利返済額を抑え、現時点では収入がそれほど多くない若者でも、高額な住宅を購入しやすくする商品だ。
産経新聞は、こうした超長期ローンの普及も、若い世代の住宅購入を後押ししていると分析した。
住宅を単なる居住空間ではなく、資産形成の手段として捉える意識も広がっている。2022年に首都圏の鉄道駅周辺にあるマンションの価格を調べた結果、398カ所のうち389カ所で、中古価格が新築分譲時を上回っていた。
年収の8倍超の家を購入 膨らむ住宅ローン負担
一方、住宅価格の上昇ペースが所得の伸びを上回る中、多額の住宅ローンを組んで家を購入する世帯も増えている。
リクルートの調査によると、首都圏で世帯年収の8倍を超える価格の新築マンションを購入した人の割合は、2009年の7.1%から2024年には20.4%へ増加し、約3倍となった。
住宅購入価格は年収の6~7倍程度が一つの目安とされることを踏まえると、重い返済負担を抱える世帯が増えていることになる。
世帯主が29歳以下の2人以上世帯の負債額も、ここ数年は700万~800万円台で推移している。2000年代初めには負債より貯蓄の方が多かったが、最近では負債が貯蓄を上回る状況へと変わった。
金利の上昇も大きなリスクとなる。金融庁によると、住宅ローン利用者の約74.5%が変動金利を選んでいる。今後、金利がさらに上昇すれば、若い住宅購入者の返済負担が一段と重くなる可能性がある。
かつては「住宅価格が下がるのが怖い」と購入を避けていた若者が、今では「さらに値上がりするのが怖い」と購入を急ぐようになった。ただ、住宅価格と所得の差が広がり、負債も膨らんでいるだけに、若い世帯の持ち家志向が将来的に重い家計負担につながるとの懸念も出ている。
