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2026年9月2日(水) 東京 --

「7,500万円→9,200万円」花火大会が各地で消える 1年で運営費20%超増の現実

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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夏の夜の風物詩だった花火大会が、各地で次々と姿を消しつつある。資金難や人手不足、天候リスクが重なり、開催そのものを取りやめたり、ドローンショーに切り替えたりする自治体が増えている。

31日の読売新聞によると、福島県須賀川市は、毎年約10万人が訪れていた「釈迦堂川花火大会」を今年は開催しないことを決めた。半世紀前に始まり、約8,000発を打ち上げる県内最大級の花火大会だ。

最大の要因は費用の増加だ。これまで7,500万円前後の運営費を協賛金などで賄ってきたが、警備員の人件費や資材価格が一斉に上昇した。会場案内を担当する市職員の確保さえ難しくなっている。同じ規模で来年再開する場合、最大9,200万円が必要と見込まれており、わずか1年で負担が20%以上膨らむ計算だ。

開催を断念するのは須賀川市だけではない。群馬県玉村町は、物価上昇や基金の枯渇を理由に、1989年から続いていた「たまむら花火大会」を終了することを決めた。京都府木津川市では、30年以上にわたって市民祭りのフィナーレを飾ってきた花火をドローンショーに切り替えた。

硝酸カリウム価格50%超上昇…戦争も原料調達を圧迫


費用を押し上げている大きな要因が円安だ。花火に使われる火薬原料の大半を輸入に頼っているためだ。財務省の集計によると、黒色火薬の主成分である硝酸カリウムの平均輸入価格は今年上半期、1キロ当たり177円となり、2021年と比べて50%以上上昇した。花火の色を出すために使われるナトリウムなどの副原料も、円安の影響で値上がりしている。

ロシアによるウクライナ侵攻も追い打ちをかけている。日本煙火協会によると、2022年ごろから火薬原料の調達が難しくなったという。協会は、一部の原料が弾薬生産に回っている可能性も排除できないとしている。花火製造会社の田隈化工の関係者は「予算が限られている地方の祭りほど、運営が厳しくなっている」と話した。

開催を続ける花火大会では、有料観覧席を増やす動きが広がっている。帝国データバンクによると、国内の主要花火大会106大会のうち、有料観覧席を設けているのは2019年の71大会(67%)から今年は84大会に増え、8割近くに達した。このうち45大会は、昨年より座席料金を引き上げている。

価格設定も大きく変わっている。茨城県境町で来月開催される「利根川大花火大会」は、3万発を打ち上げる一方、有料席を昨年より1万席多い4万席に増やした。最大6人で利用できるキャンピングカー付きのテーブル席は50万円に設定されたが、用意された3席はすべて完売した。

「花火大会は夏」というこれまでの常識も揺らいでいる。東京都大田区は、1987年から8月に開催してきた「平和記念花火大会」を今年から11月に変更した。猛暑による熱中症や台風のリスクを考慮したためだ。毎年7月に開催されてきた「広島みなと夢花火大会」も、来年から9月に日程を移す。

今後の焦点は、円相場がいつ安定するかだ。円相場は先月末に1ドル=163円台まで下落した後、日米の共同介入を受けて155円台まで戻したものの、今月に入って再び160円前後で推移している。

日銀は6月、政策金利を31年ぶりに1%まで引き上げたが、米国との金利差は依然として大きく、為替介入だけで流れを反転させるのは難しいとの見方も出ている。原料価格を左右する円相場が安定しない限り、予算に余裕のない地方都市の花火大会から姿を消していく流れは、来年も続く可能性が高い。

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