「ねえ、クラブ行こう」ナイトクラブで婚姻届を出すカップル…一体何が起きている?

婚姻率の急激な低下に直面する中国政府が、若者の結婚を後押しするため、婚姻手続きのハードルを大幅に下げており、注目を集めている。
1日、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)によると、8月、天津市にある中国郵政貯蓄銀行の支店が、銀行業界で初めて婚姻登記業務を始めた。
先月20日には、山東省淄博市臨淄区の母子保健病院が婚姻登記窓口を開設した。病院側は、婚姻登記に加え、婚前健診や妊娠前の相談まで一度に済ませられる「ワンストップサービス」を打ち出した。
一風変わった婚姻登記窓口は、全国各地に広がっている。今年1月には、広東省の広州白雲国際空港が空港内で結婚証の発行を始め、航空機の離着陸を見渡せる展望デッキを無料で開放した。
北京と南京では、伝統的な寺院で伝統衣装を着て婚姻登記ができるスペースが設けられた。
安徽省合肥市では地下鉄駅に受付窓口を設置し、上海では民政当局がナイトクラブと連携し、その場で結婚証を発行するイベントも開いた。
こうした変化は、昨年5月に施行された婚姻登記制度の規制緩和を受けたものだ。中国当局は、戸籍所在地にかかわらず全国のどこでも婚姻登記ができるよう制度を改め、戸籍簿の提出義務も廃止した。
これにより、今年5月時点で民政局の庁舎外に設けられた婚姻登記窓口は500カ所、提携先の屋外会場は1,300カ所を超えた。
さまざまな場所で婚姻登記ができるようになったことで、中国政府が婚姻率の引き上げに本腰を入れているとの見方も出ている。
しかし、大胆な利便性向上策を打ち出しても、婚姻件数の減少には歯止めがかかっていない。中国の婚姻件数は昨年676万組と、前年から65万7,000組増加に転じたものの、今年上半期は328万組にとどまり、前年同期比で7.5%減少した。
現地の若者の反応も冷ややかだ。ネットユーザーからは「婚姻届を出す場所がないから結婚しないわけではない」「問題の本質は複雑な行政手続きではなく、高騰する住宅費や子育て費用などの経済的負担や、個人の自由が損なわれることへの懸念だ」といった声が相次いでいる。

