「中国だけが反対」19カ国のG20声明を拒否 24日米中首脳会談前になぜ衝突
両国、主導権を握るための力比べ
米国と中国が今月末の首脳会談を控える中、G20(主要20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議で、共同声明の発表を巡って激しく衝突したと伝えられた。米国など19カ国が、中国の国家主導の産業政策などを批判する内容を声明に盛り込もうとしたところ、中国が反発して拒否し、結局まとまらなかった。米中首脳会談を前に主導権を握るため、両国の駆け引きが本格的に激化しているとの分析が出ている。

米国「中国、世界経済を歪めている」
ニューヨーク・タイムズ(NYT)などによると、1日に米ノースカロライナ州アッシュビルで閉幕した会議では、「過度かつ持続的な貿易黒字を記録する国は、成長のために輸出へ過度に依存するよう促す歪みを取り除き、不必要な輸出制限を避けなければならない」とする議長声明が出された。声明には「われわれは、各国が不均衡を深刻化させる非市場的な政策や慣行を撤廃する措置を取るべきだという点で合意した」との内容も盛り込まれた。G20各国は当初、こうした内容を盛り込んだ共同声明を採択しようとした。しかし、中国が採択に反対したため、全会一致が必要な共同声明ではなく、中国を除く19カ国が同意した内容の議長声明を発表したと伝えられた。
中国は、米国など西側諸国が自国の産業政策を正面から狙った内容を声明に盛り込んだと判断した。「過度かつ持続的な貿易黒字を記録する国」とは、まさに中国を指すということだ。中国の年間貿易黒字は約1兆2,000億ドル(約187兆6,300億円)に達する。中国は昨年、欧州連合(EU)との貿易でも3,600億ユーロ(約65兆8,400億円)の黒字を記録した。米国は、中国政府が国内製造業に補助金など巨額の優遇措置を与えることで価格競争力を高め、大量生産した製品を海外に流し込んで市場を歪めていると判断していると伝えられた。中国製の超低価格商品が流入し、各国企業の価格競争力が低下するなど直接的な損害を受けているという。米国は昨年、中国との貿易で約2,000億ドル(約31兆2,700億円)の赤字を記録した。
スコット・ベッセント米財務長官は、中国の反対で共同声明の採択が頓挫すると記者会見を開き、「世界最大規模で、持続不可能な水準の経常収支黒字を記録している中国が(声明に)反対したことは明らかだ」と指摘した。ある米高官は英フィナンシャル・タイムズ(FT)に「中国こそその責任を負う当事者であり、われわれは持続的な経済の歪みを懸念している」と述べた。19カ国は、中国が世界のサプライチェーンを握っているレアアース(希土類)など重要鉱物の輸出規制も問題視したと伝えられた。米国は昨年10月、貿易戦争の休戦に合意したが、中国がレアアースの供給を保証するとの約束を完全には履行していないとみている。中国はこうした内容を全面的に否定している。中国外務省の郭嘉昆報道官は2日の定例会見で「今回の会議で、各国が関連問題について異なる見解を持っていたことに注目した」と述べた。
相次ぐ首脳会談を前に力比べ
G20共同声明を巡って対立した米中は、今年3回の首脳会談を控えている。習近平中国国家主席は今月24日にワシントンD.C.を訪れ、ドナルド・トランプ米大統領と会談する予定だ。11月18~19日に中国・深圳で開かれるアジア太平洋経済協力(APEC)、12月14~15日に米マイアミで開かれるG20首脳会議でも、両首脳の会談が予定されている。両首脳が短い間隔で3回も会談するのは珍しい。イランやウクライナでの戦争に加え、関税問題など山積する懸案を「トップダウン(上意下達)」方式で解決していけるとの見方もある。
このため、両国の首脳会談を前に、米国が西側諸国と共に中国への「経済的圧力」作戦を開始したとの分析が出ている。これまでマルコ・ルビオ米国務長官が外交・人権分野で中国を狙ってきたとすれば、今回は米経済の総司令官であるベッセント長官が前面に出たということだ。トランプ大統領は同日、「G20会議では非常に生産的で前向きな議論が行われた」とし、「米国を立派に代表しているベッセント長官に感謝する」と述べた。
中国は同じ時期、キルギス・ビシュケクで開かれた上海協力機構(SCO)首脳会議で反西側の連帯を築き、対抗に乗り出した。習主席はロシアのウラジーミル・プーチン大統領、インドのナレンドラ・モディ首相、イランのマスウード・ペゼシュキアン大統領らと相次いで会談した。ニューヨーク・タイムズは「中国は、西側と戦争中のロシアおよびイランとの連帯を利用して影響力を誇示している」とし、「習主席はトランプ大統領との首脳会談を準備する過程で、交渉のてこを確保している」と伝えた。


