ネタニヤフ氏、ガザ「イエローライン」からの撤収拒否 「この地域は我々が支配」
イスラエル軍の撤退・ハマスの武装解除を巡る停戦履行の対立

ベンヤミン・ネタニヤフ・イスラエル首相は、パレスチナ自治区ガザに設けられた、いわゆる「イエローライン(黄色線)」からイスラエル軍を撤退させない立場を改めて示した。
イスラエルメディア「Ynet」によると、ネタニヤフ首相は2日(現地時間)、イスラエル軍が駐留するガザ地区内の軍事基地を訪れ、「われわれはこの地域を支配している」と述べた。そのうえで「撤退することなく、このラインを守る」と強調した。
ネタニヤフ首相は、現在イスラエルがガザ地区の約60%を支配下に置いているとしたうえで、「われわれは立ち止まらない」と述べた。また、イスラエル軍はイスラム組織ハマスの脅威を排除するため、継続的に作戦を実施していると主張した。
イエローラインは、昨年10月に発効した米国の仲介によるイスラエルとハマスの停戦合意に基づき、イスラエル軍の撤退範囲を示す境界線として設定された。当時の合意では、イスラエル軍がガザ地区の約53%に相当する地域に駐留することが認められていた。
しかし、その後イスラエル軍の支配地域は拡大した。ネタニヤフ首相は今年5月、ガザ地区の70%を掌握するよう軍に指示しており、イスラエル側は7月時点で、実際の支配地域が67~70%に達したと明らかにしていた。
今回の発言は、米国が推進するガザ和平構想の主要課題である、イスラエル軍の撤退を巡る協議にも影響を及ぼすとみられる。
イスラエルは、ハマスが完全に武装解除しない限り撤退には応じられないとの立場を崩していない。一方、米国主導の和平構想には、イスラエル軍の段階的な撤退が盛り込まれている。
ネタニヤフ首相が現在の駐留地点からの撤退を繰り返し否定するなか、ガザ地区におけるイスラエル軍の駐留とハマスの武装解除を巡る交渉は、今後も難航する見通しだ。

