「ロシアの空が28時間ドローン攻撃にさらされた?」“空の封鎖”迫る中、プーチン氏の反応に注目

ロシアの首都モスクワを狙ったドローン攻撃が28時間にわたって続き、首都圏では集合住宅や工場が被害を受けた。主要空港でも運航制限が繰り返された。
ロシア当局は、2日(現地時間)朝から3日正午までに、無人機548機がモスクワ方面へ飛来し、このうち143機を首都への接近中に撃墜したと発表した。
セルゲイ・ソビャニン・モスクワ市長は3日、「2日午前8時から3日正午までに、モスクワ方面へ548機が飛来した」と明らかにした。大半は首都から離れた地点で破壊され、143機がモスクワへの接近中に撃墜されたと説明した。
夜間にはモスクワ州内で被害が相次いだ。アンドレイ・ボロビヨフ州知事は、州上空で56機を撃墜したと発表した。
クビンカではドローンが集合住宅に衝突し、7~9階で火災が発生した。住民10人が避難した。
パブロフスキー・ポサドでも別の集合住宅が被害を受け、8世帯の窓ガラスが割れた。ボリショエ・ブンコボでは、ドローンが工場の敷地内に落下し、火災が発生した。
負傷者は2人となった。クビンカではドローンの残骸が走行中の車に落下し、44歳の男性が負傷した。近くの工事現場で働いていた22歳の男性も破片でけがをし、病院へ搬送された。
ロシア「548機が飛来」住宅・工場が被害、2人負傷
シェレメチェボなど首都圏空港で相次ぎ運航制限
ドローンが首都へ接近するたびに、民間航空便にも影響が広がった。
ブヌコボ、ドモジェドボ、ジュコフスキーの各空港では、航空機の離着陸を一時停止したり、当局の許可を得た便に限って運航したりする措置が取られた。シェレメチェボ空港にも運航制限が適用された。
ロシア航空当局は、いずれも安全を確保するための措置だったと説明した。攻撃が収まった後、ブヌコボ、ドモジェドボ、ジュコフスキー各空港の制限は3日正午ごろに解除された。
ロイター通信が2日、航空便追跡サイト「Flightradar24」を確認したところ、シェレメチェボ空港では21便が欠航し、235便に遅れが出ていた。ブヌコボ空港でも22便が欠航し、94便が遅延していた。
トルコのペガサス航空も一部のロシア路線を欠航したが、ドローン攻撃が理由かどうかは明らかにしなかった。
今回の攻撃に先立ち、ウクライナはロシア領空の安全性を国際的な問題として取り上げていた。
ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は1日、「ロシアの空に大量のドローンが現れることを考慮すべきだ」と述べ、「ロシアの領空は事実上閉鎖されるだろう」と警告した。
さらに「最初にミサイルやドローンを飛ばしたのはロシアであり、それらはロシア領空を通ってわれわれの国境を越えた」と指摘。「こうした緊張の高まりは、ウクライナ領内だけにとどまらない」と述べ、ロシアへの反撃を示唆した。
ウクライナ政府は国際民間航空機関(ICAO)に対し、加盟国にロシア領空を利用しないよう勧告することも求めた。ただ、ゼレンスキー大統領は、ウクライナが民間航空機を攻撃することはないと強調した。
ロシア「143機を首都への接近中に撃墜」夜通し迎撃
ゼレンスキー氏の領空警告後、モスクワの航空便に影響
ロシア側は、自国の領空は正常に運用されていると反論した。
ロシア運輸省は3日、外国の航空会社からの問い合わせを受け、国内の空港と領空で実施している安全対策について個別に説明したと明らかにした。航空当局も、外国航空会社を含む航空便の運航は正常に行われていると主張した。
ウラジーミル・プーチン大統領も同日、ウクライナを非難した。ウクライナによる民間船舶への攻撃と、自身が「民間航空機に対する攻撃の脅威」と表現した行為を「国家テロ」と位置付け、こうした行動が和平交渉を一段と困難にすると主張した。
これに対しウクライナは、標的としているのは民間航空機ではなく、ロシアの軍事施設だけだとの立場を示している。
今回の攻勢では、ロシアの防空部隊が数十時間にわたって繰り返し迎撃に当たった。民間航空の安全を確保するため、首都圏の空港では運航制限が相次ぎ、一部のドローンやその残骸は集合住宅や工場にまで到達した。
モスクワを狙う長距離ドローン攻撃の影響が、標的への直接的な被害だけでなく、首都の防空態勢や航空便の運航にも広がっていることが浮き彫りになった。
