トランプ大統領がカナダへの圧力強めるほど…カーニー首相の支持率は上昇
カナダの報復関税に米国は乳製品などの輸入禁止で対抗…国民の73%が「対米譲歩すべきでない」

トランプ政権が、数週間以内にカナダ産乳製品やオートバイなどの輸入を禁止すると表明し、米国とカナダの貿易戦争が激化している。米国の圧力に強硬姿勢で対抗し、カナダのマーク・カーニー首相の支持率が急上昇している。
ワシントン・ポスト(WP)によると、ドナルド・トランプ米大統領は8日(現地時間)、カナダ産乳製品や酒類、オートバイなどについて、米東部時間29日午前0時1分から輸入を禁止する3件の布告に署名した。
同日は、カナダが午前0時から276億カナダドル(約3兆700億円)規模の米国産輸入品に最大50%の関税を課し始めた日でもある。これに先立ち、米国が22日から200億ドル(約3兆700億円)相当のカナダ産製品に最大50%の関税を課したことへの対抗措置だ。
布告によると、乳製品ではホエイプロテイン濃縮物や加工ホエイ、糖蜜、ノンアルコールビールなど14品目が輸入禁止対象に指定された。また、排気量800ccを超える往復式内燃ピストンエンジンを搭載したオートバイや自転車も規制対象となった。
トランプ大統領は、今回の輸入禁止措置の根拠として関税法338条を挙げた。この条項は、米国との通商で差別的な措置を取った国の製品に対し、大統領が最大50%の関税を課すか、輸入を禁止する権限を認めている。
トランプ大統領は8日、3件の輸入禁止に関する布告とは別に、2件の布告を通じ、塩やセメント、トイレットペーパー、ベッドシーツ、釣り竿、ウイスキーや蒸留酒などを15日から既存の関税対象から除外する措置も発表した。
対立がさらに深まる余地も残っている。米政府高官は同日、ホワイトハウスの電話ブリーフィングで、トランプ大統領が8月24日に表明した「2027年1月1日からカナダ産自動車・部品や鉄鋼への関税を50%に引き上げる」との方針について、「依然として有効だ」と述べた。カナダとの交渉の可能性については、「カナダも代替案を模索することに関心があると考えており、これまで通りわれわれも協議には開かれている」と答えた。
一方、米国に対抗して関税措置を打ち出したカーニー首相の支持率は急上昇した。カナダの世論調査機関アンガス・リード研究所(ARI)が8日に公表した調査結果によると、国民の62%がカーニー首相の政権運営を支持すると答えた。8月から11ポイント上昇し、2026年1月に記録した過去最高の63%に迫っている。
カーニー首相の支持率は、サスカチュワン州を除くカナダのほぼすべての州で過半数を占めており、幅広い支持を得ている。米国との対立で代償を払ってでも譲歩すべきではないとの強硬姿勢も一段と強まった。回答者の73%は「米国との貿易関係が悪化しても、難しい譲歩には応じるべきではない」と回答した。米国との貿易戦争が始まって以降、過去最高の割合となった。
