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2026年9月10日(木) 東京 --

「米国はイランと戦争中なのに…」米軍と対立する国防長官、異例の状況に注目

世界最強の軍事力を誇る米国防総省が異常事態に陥っている。フォックスニュースの司会者出身であるピート・ヘグセス国防長官と軍首脳部との対立が表面化したためだ。昨年、就任直後から将官を大幅に入れ替えたヘグセス長官は、最近も軍指導部への圧力を続けている。強い保守色を持つヘグセス長官がイデオロギー戦争に没頭することで、軍の指揮系統と未来戦に備えた戦力の弱体化につながるのではないかとの懸念が高まっている。

引用:ニューシス
引用:ニューシス

7日(現地時間)の米主要メディア報道を総合すると、米陸軍の改革を主導してきたダン・ドリスコル陸軍長官までもが最近ヘグセス長官との対立の末に辞意を表明し、軍内部の亀裂が加速している。先月31日に辞任の意向を示したドリスコル長官はイラク戦争の退役軍人で、高価な従来型兵器システムに依存するのではなく、ドローンやAIなどの新技術を迅速に導入すべきだとし、陸軍の近代化を推進してきた。

しかしドリスコル長官は、ヘグセス長官がランディ・ジョージ陸軍参謀総長を更迭し、高位将官の昇進を次々と阻止したことで対立を深め、結局辞任に追い込まれた。これにより米軍は、イランとの戦争の最中に陸軍長官と陸軍参謀総長の正式な後任が決まらない異例の事態に直面している。

「アフガニスタンの最後の米軍」「一世代に一人出るか出ないかの名将」と呼ばれた米陸軍欧州・アフリカ司令官のクリストファー・ドナヒュー氏が先月27日に辞任した背景にも、ヘグセス長官による強引な人事があった。常識的な人事権者なら真っ先に重用したはずのベテランだったが、ヘグセス長官は、ドナヒュー氏を「自己宣伝に偏っている」などと批判し、結果的に軍を去ることを余儀なくさせた。

ヘグセス長官と軍首脳部の不和は昨年から続いている。ヘグセス長官は就任直後の昨年2月、チャールズ・ブラウン統合参謀本部議長を電撃的に更迭するなど、軍首脳部への介入を始めた。黒人として二人目に米軍最高位に就いたブラウン議長は、任期が1年以上残っていた。続いてリサ・フランチェッティ海軍参謀総長や、米国家安全保障局(NSA)・サイバー司令部を同時に率いていたティモシー・ホーク司令官なども職を去った。

引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ/ChatGPT
引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ/ChatGPT

ヘグセス長官の矛先は個別人事にとどまらなかった。昨年5月には現役4つ星将軍と提督のポストを最低20%削減し、全体の将官職も10%削減するよう指示した。不要な指揮系統と官僚主義を排除し、戦闘中心の組織に変革するという論理を掲げた。

ヘグセス長官はまた、米軍指導部が多様性・公平性・包摂性(DEI)政策などいわゆる「ウォーク(進歩的価値観)」に埋没して戦闘力が低下しているとし、文化戦争も展開した。軍部との対立が象徴的に表れたのは昨年9月、バージニア州クワンティコ海兵隊基地でのことだ。ヘグセス長官は世界各地に配置された将官と提督数百人を異例にも召集し、米軍が「戦士精神」を取り戻すべきだとして、体力や外見、軍規に関する厳格な基準を示した。特に自身に同意しない将官には「名誉ある辞任をせよ」と最後通告した。

米軍指導部が過度に肥大化し、官僚主義が迅速な意思決定と新技術の導入を妨げているとの指摘は以前から存在していた。特にウクライナ戦争を通じて先端技術が戦場の様相を一変させる重要な手段として浮上する中、指揮系統を簡素化し、急変する状況に機敏に対応できるよう体質を改善する必要があるという点には、相当な共感が形成されている。

しかし、軍人事の基準が「能力」から「忠誠」へと移行しているのではないかとの指摘も出ている。陸軍長官の後任としてヘグセス長官の側近である国防総省のショーン・パーネル報道官が挙がっていることも、こうした懸念を高めている。アフガニスタン戦争の従軍経験を持つパーネル報道官は、トランプ政権2期目の国防総省首席報道官兼国防長官首席顧問に任命され、ヘグセス長官の最側近となった。

現在、米国は中東で長期の軍事作戦を展開しており、中国の膨張に備えるなど、様々な安全保障上の課題に直面している。このような状況下で軍最高位層の頻繁な交代と人事の空白は、米国の軍事的対応能力に直結しかねないとの懸念が浮上している。

共和党所属のトム・ティリス上院議員(ノースカロライナ州)は、ドリスコル長官の辞任報道後、ヘグセス長官が文化戦争に執着していると指摘し、トランプ大統領に彼の更迭を要求した。

ただしトランプ大統領は依然としてヘグセス長官を支持する姿勢を崩していない。ホワイトハウスのアナ・ケリー報道官は「大統領はヘグセス長官を全面的に信頼しており、彼はペンタゴンを見事に率いている」と擁護した。

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