トランプ氏「中間選挙直後に終戦」 イラン「帰れるうちに家へ帰れ」
トランプ氏「中間選挙が終われば原油価格は急落」
過去最高値を更新するディーゼル価格、国民の不満沈静化狙う
「民主党が勝てばイランは核兵器を保有」支持層の結束図る
中東緊張で原油101ドル、ゴールドマン「120ドルの可能性」

ドナルド・トランプ米大統領が、米中間選挙の直後にイラン戦争が終結し、原油価格も急落するとの見通しを示した。中間選挙まで約50日となるなか、高止まりするガソリン価格への国民の不満が強まっていることを受け、選挙後には状況が改善すると強調した格好だ。一方、イラン側は米軍に対し「帰れるうちに帰れ」と反発した。
トランプ大統領は9日(現地時間)、共和党の中間選挙党大会が開かれるテキサス州ダラスへ出発する前、記者団に対し「選挙が終わればすぐに戦争も終わる」と述べ、「イランはこれ以上持ちこたえられないからだ」と語った。
米中間選挙は11月3日に行われ、上院100議席のうち35議席と、下院435議席の全議席が改選される。
トランプ大統領は「彼らは選挙結果に影響を与えようと必死になっている」とし、「そうすれば、つまり共和党が負ければ、彼らが核兵器を持つことを許すことになるからだ」と強調した。
これまで戦争終結の時期について「まもなく」と表現してきたトランプ大統領が、約50日後の11月の中間選挙まで終結時期の見通しを先送りしたのは今回が初めて。
米国内でガソリン価格が再び上昇していることをどう国民に説明するのかと問われると、トランプ大統領は「米国民に説明するのは非常に簡単だ。ただ『イランに核兵器を持たせてもいいのか』と聞けばいい。答えは『ノー』だろう」と述べた。
そのうえで「中間選挙が終わればすぐ、原油価格は急落する。われわれがそうさせる。ガソリン価格は1ガロン当たり2ドル(約307円)を下回ると思う」と強調した。
米国ではディーゼル価格が連日過去最高値を更新し、ガソリン価格も高水準が続いている。国民の不満が高まるなか、トランプ大統領は11月以降には状況が急速に安定すると訴え、世論の不満を和らげようとしたものとみられる。
また「民主党が勝利すればイランが核兵器を保有することになる」と主張し、共和党支持層の結束を図る狙いもあるとみられる。
イランとの対話再開については「率直に言えば、われわれは望んでいない。当初は合意したかったが、もうあまりにも遠くまで来てしまった。イランにはほとんど何も残っていない」と述べた。
さらに「交渉が行われる可能性はあるが、われわれが望んでいるわけではない」と語った。
イランとの核合意の可能性については「私は核合意以上のことをしている。核問題以外にも扱うべきことは多い」としたうえで、「核合意は結ぶ。99.9%だ」と述べた。
これに対し、イラン議会の国家安全保障・外交政策委員会のエブラヒム・アジジ委員長は「X(旧ツイッター)」に、「イラン軍は、ペルシャ湾の安全と安定はイランによって管理されるという明確なメッセージを発した」と投稿した。
さらに米軍に向けて「残っている兵士たちに告げる。残された装備をまとめ、帰れるうちに家へ帰り、自国の国境防衛に集中せよ!」と反発した。
中東情勢の緊張が高まるなか、国際原油価格は上昇を続けた。
ロンドンICE先物取引所では、11月限の北海ブレント原油先物が前日比3.36%高の1バレル=101.21ドル(約1万5,600円)で取引を終えた。5月22日以来の高値となった。
ニューヨーク・マーカンタイル取引所では、10月限の米国産標準油種WTI先物も3.25%上昇し、1バレル=96.05ドル(約1万4,760円)で取引を終えた。
ゴールドマン・サックスのグローバル商品調査共同責任者、ダーン・ストルイフェン氏はCNBCに対し、原油価格が1バレル=120ドル(約1万8,400円)を超えて急騰するリスクが高まっていると警告した。
