1.2兆ドル、どこから?…トランプ大統領「5,000ドル配当」巨額財源のめど立たず
ラトニック商務長官は「プラチナカード」で5,000億ドル、バンス副大統領は関税収入を提案…「財源確保策ではない」との指摘

ドナルド・トランプ米大統領が中間選挙を前に公約した1人当たり5,000ドル(約77万200円)の「配当金」支給を巡り、側近らの間で財源を巡る説明が食い違っている。
12日(現地時間)、NBCニュースなどによると、ハワード・ラトニック米商務長官は11日のインタビューで、「財政赤字や納税者の金に依存せず、トランプ大統領が支給を目指す配当金の財源を確保できる」とし、「トランプ・プラチナカード」を財源案として提示した。外国人が1人当たり500万ドル(約7億7,000万円)を支払えば、米国外で得た所得について米政府に税金を支払うことなく、年間最長270日間、米国に滞在できるプログラムだ。ラトニック長官は「米国への渡航を希望する待機者が10万人を超える。これによって5,000億ドル(約77兆200億円)を確保できる」と主張した。
これは、関税収入を主要な財源として挙げたJ・D・バンス米副大統領の説明とは異なる。バンス副大統領はこれに先立ち、FOXとのインタビューで、トランプ大統領の公約を「米国の労働者のための配当金」と擁護し、高率関税で得た収入を国民に還元できると述べていた。
しかし、いずれの案も、規模の面で実現性に乏しいとの見方が出ている。米国の成人約2億4,000万人に5,000ドルずつ支給するには、単純計算で1兆2,000億ドル(約184兆9,000億円)が必要だ。ラトニック長官が主張するプラチナカードによる収入が見込み通り確保できても、必要額全体の半分にも満たない。
関税収入で賄う案も非現実的だ。米議会予算局(CBO)によると、2025年10月から2026年8月までの関税収入は1,673億ドル(約25兆8,000億円)で、前年同期比1.2%増にとどまった。CBOの試算によると、今後10年間に見込まれる年間の最大関税収入は4,240億ドル(約65兆3,000億円)にすぎない。
こうした中、トランプ大統領の経済政策のブレーンとされるケビン・ハセット米国家経済会議(NEC)委員長は、ブルームバーグTVのインタビューで、議会の予算調整手続きを活用できると述べた。予算調整は、上院で野党の反対を回避し、歳入・歳出関連法案を処理できるようにする制度だ。ただし、予算調整はあくまで立法手続きにすぎず、財源そのものを確保する制度ではないとの批判が出ている。

