「選挙後に戦争終結、原油は急落」トランプ氏断言…その直前に100ドル突破
ブレント原油、5月以来の最高値を記録
アメリカでインフレ懸念が再燃
アメリカ債利回り、「バイバック」観測で上昇
トランプ氏、「民心離反」で非常事態

アメリカとイランがホルムズ海峡一帯で連日タンカーを狙った攻撃を行うなど、世界的な原油供給の混乱に対する懸念が高まる中、国際原油価格が9日(現地時間)、約50日ぶりに再び1バレル=100ドル(約1万5,300円)を上回った。原油価格の急騰とインフレ懸念を背景にアメリカ債利回りが急上昇する中、アメリカ財務省は10日に実施するバイバック(早期買い入れ)の規模を従来の3倍となる60億ドル(約9,200億円)に拡大すると発表した。しかし、市場の期待を満たすには至らず、アメリカ債利回りは逆に一段と上昇した。
この日、ドナルド・トランプ米大統領は、イランとの戦争はアメリカの中間選挙直後に終結するとの見通しを示し、終戦後には原油価格も急落するとの見方を示した。これについては、中間選挙を控えた有権者の支持を意識した発言との見方も出ている。
同日、ロンドンICE先物取引所で11月限のブレント原油先物は前日比3.29ドル(約500円、3.36%)上昇し、1バレル=101.21ドル(約1万5,000円)で取引を終えた。終値としては5月22日以来の高値となった。終値が100ドルを上回るのは7月23日以来初めてとなる。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)では、10月限のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物が前日比3.02ドル(約460円、3.25%)上昇し、1バレル=96.05ドル(約1万4,700円)で取引を終えた。
特に、ブレント原油が100ドルを突破したことで、アメリカ内のインフレが再燃する可能性も指摘されている。一部では、中東情勢の緊張が解消されなければ、原油価格が1バレル=120ドル(約1万8,000円)を超えるリスクもあるとの見方が出ている。
アメリカとイランの戦争激化により原油価格が連日上昇し、アメリカの長期国債利回りも再び急騰する兆しを見せている。アメリカ財務省は10日に実施するバイバックを通じて、10~20年債を当初計画の3倍となる最大60億ドル(約9,200億円)規模で買い入れると発表したが、国債利回りはこの日、逆に上昇した。バイバックの規模が市場の期待に届かなかったため、国債の供給が市場にさらに増えるとの見方が広がったためとみられる。
10年物アメリカ債利回りはこの日、取引中に一時4.85%まで上昇し、2023年以降の最高水準を記録した。30年物国債利回りも取引中に5.307%まで上昇し、市場で重要な節目とされる5.3%を上回った。原油価格の上昇と国債利回りの上昇が重なり、ニューヨーク株式市場の主要3指数も3日連続で下落した。
トランプ大統領はこの日、共和党の中間選挙集会に出席するため出発する前、「選挙が終わったらすぐに戦争が終わると思う」と述べ、選挙戦を意識した姿勢を示した。さらに、「中間選挙が終われば原油価格は急落する。我々はそうするつもりであり、ガソリン価格は1ガロン=2ドル(約300円)を下回るだろう」と付け加えた。
トランプ大統領はこれまで、終戦時期について「非常に近い」などと表現してきたが、約50日後に迫る11月の中間選挙後まで予想時期を遅らせたのは今回が初めてとなる。

