米国、日本と28年ぶり円買い協調介入 日銀の9月利上げ観測が背景
米国、28年ぶりに日本と円買い協調介入
背景に日銀の「9月追加利上げ」観測

米国が日本と28年ぶりに円買いの協調介入に踏み切った背景には、日本銀行が9月にも追加利上げに動くとの見方があったとされる。日銀の植田和男総裁が利上げのペースを速める可能性に言及したことを、米国が追加利上げのシグナルと受け止め、日本の円安対応を支援したという。
毎日新聞は11日、複数の関係者の話として、米国政府が植田総裁の先月末の発言を、利上げに前向きな「タカ派発言」と判断し、日本政府がかねて要請してきた為替市場への協調介入に応じることを決めたと報じた。
植田総裁は先月31日、金融政策決定会合後の記者会見で、物価の上振れリスクが想定以上に高まっているとして、「利上げのペースを速めることも十分あり得る」と述べた。米国側はこれを、9月の金融政策決定会合で追加利上げに動く可能性を示唆したものと受け止めたとされる。
米国が協調介入を急いだ背景には、8月に日銀の金融政策決定会合が開かれないという事情もあったと、同紙は指摘した。市場取引が比較的閑散な8月に再び円安が進むことを懸念し、早期対応に動いたという。
日本政府と日銀はこれまで、過度な円安が輸入物価の上昇を通じてインフレを助長しかねないとみて、円安を食い止める方策を探ってきた。しかし、日本単独の介入では効果が限られると判断し、水面下で米国側に協調介入を繰り返し求めていたとされる。
米国にとっても、日本の長期金利の上昇が米国債の利回りを押し上げ、景気を冷やしかねないとの懸念や、中間選挙を控えたトランプ政権の政治的な負担が、協調介入の判断に影響したとみられる。
日銀の低金利政策が円安の主な要因とされるなか、市場の関心は来月の追加利上げの有無に集まっている。米国のスコット・ベッセント財務長官も最近、日本経済新聞のインタビューで、日本に低金利政策からの脱却を促すような発言をしていた。
